日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、医療用ウェアラブル機器や個人用電子機器などの用途に向け、性能やパッケージサイズを最適化した世界最小クラスのマイコン「MSPM0C1104」を発表した。「黒コショウ粒並みの小ささ」と「手ごろな価格」「使いやすさ」を実現した。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2025年3月18日、医療用ウェアラブル機器や個人用電子機器などの用途に向け、性能やパッケージサイズを最適化した世界最小クラスのマイコン「MSPM0C1104」について記者説明会を行った。「黒コショウ粒並みの小ささ」と「手ごろな価格」「使いやすさ」を実現した。2025年3月11〜13日にドイツ・ニュルンベルクで開催された「embedded world」で公開していた。
MSPM0C1104は、動作周波数が24MHzのArm Cortex-M0+コアを採用した。また、最大16kバイトのフラッシュメモリ、3チャネルの12ビットSAR A-Dコンバーター、最大6つのGPIOおよび、UARTやSPI、I2Cといったシリアル通信インタフェースなどを集積した。拡張動作温度範囲は−40〜125℃、動作電源電圧は1.62〜3.6Vである。
MSPM0C1104は、パッケージの外形寸法が1.6×0.861mmで、フットプリントは約1.38mm2という8端子WCSP(ウエハーチップスケールパッケージ)を用意している。既存のWCSPを用いたマイコンに比べ38%の小型化を実現した。
このほか、8端子のWSONやSOT-23-THN(DDF)、16端子SOT-23-TNH(DYY)、20端子WQFNなどの小型パッケージ品をそろえており、用途に合わせて最適なマイコンを選ぶことができる。
MSPM0C1104の価格は、低価格品だと1000個購入時の単価が0.16米ドル、WCSP品は同様に0.20米ドルである。TIのプロダクトマーケティングエンジニアであるアレックス・グル人スキー氏は、「応用システムに最適な仕様のマイコンを選択し、それに見合ったコストで使ってもらいたい」と話す。
TIでは、ソフトウェア開発キットやハードウェア開発キット、レファレンスデザインおよび、一般的なマイコン機能のサンプルコードなどを含む包括的なエコシステムを提供している。特に、「Zero Code Studio」ツールを活用すれば、数分以内という短い時間に、コーディングなしでアプリケーションの設定や開発、実行が可能だという。なお、MSPM0C1104向け「LaunchPad開発キット」は、TIのウェブサイトから5.99米ドルで購入できる。
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