Analog Devices(ADI)は、磁気抵抗に着目した高性能の磁気センサー開発に注力している。磁気センサーは市場規模が数十億米ドル規模と大きく、既に多くの領域で導入されているため、独自技術や性能の高さによって差別化を試みているという。中でも特徴的なのは、電源喪失時にも回転数と角度を検知する磁気位置センサー「ADMT4000」だ。
Analog Devices(ADI)は、磁気抵抗に着目した高性能の磁気センサー開発に注力している。磁気センサーは市場規模が数十億米ドル規模と大きく、既に多くの領域で導入されているため、独自技術や性能の高さによって差別化を試みているという。
ADIの磁気センサーの特徴について、ADI Product Applications Magnetic Sensors シニアマネジャーのChristian Nau氏に聞いた。
ADIはこれまで、異方性磁気抵抗(AMR)技術を利用した高精度の「ADA4571」や、ノイズや電磁波の影響が大きい環境にも対応した「ADA4570」などを展開してきた。
中でも特徴的なのは、独自技術で回転数と角度を検知する磁気位置センサー「ADMT4000」だ。同製品は、電源を喪失した状態でも回転数を検知し続けることができる。
産業用ロボットのアームなどは稼働中に電源を喪失するとその場ですぐに停止するわけではなく、少しの間動き続ける。そのため、稼働再開時は電源喪失後にどれだけ動いたかを正確に把握する必要がある。しかし、従来のセンサーで複数回転を記録するには電源が必須なので、電源喪失に備えてバックアップ電源を用意したり、複数回転を防止するシステムを追加したりする必要があった。
対してADMT4000は、電源不要かつ1チップで複数回転を検知できる。ADMT4000に搭載のマルチターン技術は、巨大磁気抵抗(GMR)をらせん状に構成したマルチターンセンサーが中核となっている。外部磁界と連動してGMRの抵抗値が変化する仕組みを利用していて、電源を喪失しても抵抗値から回転数を把握できる。
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