Texas Instruments(TI)は2025年4月、車載用の新製品としてLiDARレーザードライバーICやバルク弾性波(BAW)ベースのクロックIC、コーナー/フロントレーダー向けのミリ波レーダーセンサーを発表した。LiDARレーザードライバーICは必要な機能を統合し、ディスクリートで構成する場合に比べてシステムコストを平均30%削減できるとする。
Texas Instruments(TI)は2025年4月24日、車載向けにLiDARレーザードライバーIC、バルク弾性波(BAW)ベースのクロックIC、ミリ波レーダーセンサーを発表した。
LiDARレーザードライバーIC「LMH13000」は、低電圧差動信号(LVDS)、CMOS、TTL制御信号を1チップに統合していて、外付けのFETや大容量コンデンサーが不要になる。これにより、ディスクリートで構成する従来のソリューションに比べてサイズを4分の1に縮小し、システムコストを平均で30%削減するという。
立ち上がり/立ち下がり時間が800ピコ秒未満と高速な点も特徴だ。レーザーパルスが短くなるので、ディスクリートソリューションに比べ、最大30%長い距離測定が可能になる。
さらに、出力ピーク電流は最大5Aで、−40〜150℃の温度範囲における変動幅はわずか2%に抑えている。ディスクリートソリューションでは最大30%の変動が生じる可能性もあるので、LMH13000では温度による変動を大幅に抑えられることになる。TIの高速アンプ部門 マーケティングマネージャーのAnthony Vaughan氏によれば、ディスクリートで構成されていた回路/機能を1チップに統合したことで、変動を2%に抑えられると説明する。「ディスクリートで構成すると、システムとして出力電流を制御するのがが難しく、温度に対する変動を抑制しにくくなる」(同氏)
LMH13000は量産開始前の数量を購入可能で、評価基板はすぐに入手できる。なお、現在は産業グレードのLMH13000のサンプルを提供していて、開発者は同グレードのデバイスを使用してシステム開発に着手できる。車載対応品となるAEC-Q100に準拠した品種は、2026年までに量産を開始する予定だ。
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