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村田製作所は減収減益予想 「スマホ台数1%減れば50億円減収」24年度は増収増益(1/2 ページ)

村田製作所は2025年度通期業績予想を発表。売上高は前年度比5.9%減の1兆6400億円、営業利益は同21.3%減の2200億円、純利益は同24.3%減の1770億円と減収減益を予想する。スマートフォン向けの高周波モジュールや樹脂多層基板の採用数減少などを要因としている。

» 2025年05月01日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 村田製作所は2025年4月30日、2024年度通期(2024年4月〜2025年3月)業績を発表した。売上高は前年度比6.3%増の1兆7434億円、営業利益は同29.8%増の2797億円、純利益は同29.3%増の2338億円で増収増益だった。AIサーバなどITインフラ投資が拡大する中、コンピュータ向けで主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)などが好調だった。利益についても、製品価格の値下がりや固定費の増加などの減益要因はあったものの、操業度の回復や円安効果などによって増益となった。

2024年度通期業績 2024年度通期業績[クリックで拡大] 出所:村田製作所

スマホ向けで高周波モジュールやメトロサークの減少を見込む

 一方、2025年度通期業績は売上高が前年度比5.9%減の1兆6400億円、営業利益は同21.3%減の2200億円、純利益は同24.3%減の1770億円と減収減益を予想する。引き続きAIサーバやモビリティ向けでのMLCCの増加などは見込むが、円高の進行に加え、スマートフォン単年度モデル向けの同社製品採用数の減少による、高周波モジュールや樹脂多層基板(メトロサーク)の減少を主な要因として減収となる見込みだ。営業利益も、操業度の改善やコストダウンなどの増益要因はあるものの、製品価格の値下がりや円高の進行および、固定費の増加から減益を予想する。なお、構造改革を進めてきた電池事業については、通期での黒字化を計画している。

2025年度通期業績予想 2025年度通期業績予想[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 村田製作所は、高周波モジュールやメトロサークを含む「高周波・通信」セグメントについて2025年度は前年度比1009億円の大幅減を予想。同社の社長を務める中島規巨氏はメトロサークについては「2025年モデルのアーキテクチャは少し員数が少ない。これは一過性のものだとみていて、2026年以降は想定通りに進めていけると考えている」と説明した。

 高周波モジュールについては「これまで当社製品を100%使用していたものがシェア割りになるなど、少しシェアダウンがある」と説明。さらに「もともとアーキテクチャの変更が2025年に大きくあるという想定で対応を考えてきたが、それが2026年になる見込み。その対応は今のところ順調に進められている。採否を決めるファクターは、特性と価格および、会社間の関係などを含めたその他の項目がある。その3つについて、2026年モデルに対しては今のところ順調に進められている」とも言及していた。

2025年度通期の事業別セグメント売上高予想2025年度通期の事業別セグメント売上高予想 2025年度通期の事業別セグメント売上高予想[クリックで拡大] 出所:村田製作所
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