なお、業績予想では米国の関税政策の影響などによる需要セット台数の変動などは織り込んでいないという。同社の売り上げ全体のうち、米国向けの輸出は5%ほどで、さらに最も影響を受ける中国から米国向けは「その中でも非常に限られた金額」(同社)となる。そのため関税の直接的な影響は限定的だ。
一方で相互関税が最終需要を低減させる結果になった場合、その影響は大きい。同社によると、スマホ台数が1%減で約50億円、自動車台数が1%減で約50億円、PC台数が1%減で約10億円の減収になる見込みだといい「今後、日々分析をし、結果として業績予想に織り込むべき大きな変化を見通すことができれば速やかに公表する」と説明している。ただ、足元の状況としては、米国の相互関税の対象からスマホやPCなどが除外されていることから影響はないという。
2024年の業績をセグメント別でみると、「コンデンサー」はMLCCがコンピュータやモビリティ向けで増加し、売上高は前年度比10.4%増の8318億円となった。「インダクター/EMIフィルター」はインダクターがスマホ、コンピュータ、モビリティ向けで、EMI除去フィルターはモビリティ向けで増加し、売上高は同11.7%増の2013億円で着地した。
「高周波/通信」は、メトロサークがスマホ向けで、高周波モジュールがPC向けで増加したものの、表面波フィルターおよびコネクティビティモジュールがスマホ向けで減少。結果として売上高は前年度比0.8%増の4436億万円になった。「エナジー/パワー」はリチウムイオン二次電池がサーバ向けで増加した一方、ゲーム機やパワーツール向けでは減少。電源モジュールも産業機器向けで減少し、売上高は同5.3%減の1557億円に。「機能デバイスは」アクチュエータとセンサーがコンピュータ向けで増加し、売上高は同7.9%増の978億円に成長した。
用途別でみると通信向けが微減となったほかは全て増収。特にコンピュータについてはAIサーバ向けの増加が寄与し、前年度比38.8%増の大幅増となっている。
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