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NVIDIA B200搭載GPUサーバを2週間で納入へ、ソニーセミコン子会社が参入なぜソニーが?理由を聞いた(1/2 ページ)

ソニーセミコンダクタソリューションズの100%子会社であるミドクラジャパンが、GPUサーバ販売に参入する。同社は2025年5月から日本市場向けにNVIDIAのハイエンドGPU搭載サーバの取り扱いを開始。一般的に数カ月を要するというNVIDIA製品を搭載ハイエンドGPUサーバの調達を、2週間以内の短納期で実現するという。

» 2025年05月07日 17時00分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)は2025年5月7日、日本市場向けにNVIDIAの最新GPU「HGX B200」(以下、B200)搭載GPUサーバの取り扱いを開始すると発表した。一般的に数カ月を要するというNVIDIA製品を搭載ハイエンドGPUサーバの調達を、2週間以内の短納期で実現するという。

サーバ販売からクラスタ環境/AI開発構築、基盤AIモデル提供まで全て

 SSSの100%子会社であるミドクラジャパンが、2025年5月からNVIDIA製GPUを搭載するSupermicro製のGPUサーバの取り扱いを開始する。B200を8基搭載した「AS-A126GS/SYS-A22GA」を中心に、72基搭載のGB200 NVL72など、B200を搭載するSupermicro製の各サーバ製品やスイッチやケーブル等などの対応する周辺機器もワンストップで取り扱う。

 なお、B200に加え、前世代のH100やH200をそれぞれ搭載するSupermicroのGPUサーバおよび対応する周辺機器も受注し、今後もラインアップを増やしていくという。また、販売だけでなく、GPUクラスタ環境構築サービスやAI開発環境の提供、そして画像/動画の解析に特化した基盤AIモデル「ビジョンAIファンデーションモデル」もオプションとして提供する。

B200を8基搭載した「AS-A126GS/SYS-A22GA」 B200を8基搭載した「AS-A126GS/SYS-A22GA」[クリックで拡大]出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

一般的に「半年以上」の納期が2週間以内に

 AI需要の急拡大に対応し世界的にデータセンター投資が進む中、NVIDIAのハイエンドGPUを搭載するGPUサーバの短期調達は困難となっている。特に日本国内においては一般的に、H100やH200で4カ月から半年程度、B200であれば半年以上は納入まで時間を要するといわれる。そうした中でミドクラジャパンは今回、B200搭載品をサーバを含む、Supermicro製GPUサーバについて、受注後約2週間という短期間で納入可能としている。

 この短納期実現には主に2つの要因がある。まず大きいのはSupermicro製であることだ。Supermicroは米国メーカーだが、同社を設立したCEOのCharles Liang氏と副社長のWally Liaw氏はNVIDIAのCEOであるJensen Huang氏と同じく台湾出身で、昨今のGPUサーバ需要によるNVIDIAの急成長以前から強固な関係を構築。NVIDIAのGPUが世界的な争奪戦となる中、確実かつ迅速なGPUサーバの開発/提供を実現している。SSSのシステムソリューション事業部長である柳沢英太氏は「われわれもSupermicroと強固な関係を築きつつあり、この短納期に対してリスクはないと感じている」と語っていた。

 そしてもう1つがHASHCAT JAPANとの連携だ。NVIDIAのハイエンドGPUは、輸出規制のため米国政府の認可が必要となる。AI向けのGPUサーバ調達を専門とするHASHCAT JAPANはこうした手続きについて高度な知見を有していて、各種要件に柔軟な対応が可能だという。柳沢氏は「ソニーとしてはこの点はまだ知見がないため、連携によってHASHCAT JAPANのノウハウを活用していくことに決めた」と説明している。

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