米Western Digital(WD)の2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)の決算を解説する。WDは2025年2月にNANDフラッシュメモリ事業を分割し、HDD専業メーカーとなった。今回は、HDD専業メーカーとなって初めての四半期決算となる。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2025年4月29日、WDが同年4月30日である。そこで、SeagateとWDの四半期業績を続けてご報告している。本コラムの前回は、Seagateの業績概要を紹介した。今回はWDの業績概要をご報告する。
WDの会計期間はSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。4月30日にWDが発表したのは2025年1月〜3月期の四半期業績であり、会計年度表記では「2025会計年度第3四半期(Q3FY25)」となる。
WDの四半期業績で特筆すべき点は、2025年2月21日にWDがNANDフラッシュメモリ関連事業を分割し、同年2月24日に「SanDisk Corp.」の社名で同事業会社が米国ナスダック市場に上場したことだ(参考記事「WDがフラッシュメモリ事業を「Sandisk」として分離上場」)。この結果、WDが同年4月30日に発表した四半期業績は、WDがHDD専業となってから初めての決算発表となった。このため、以前にWDが発表した四半期業績とは連動していない。そこで4月30日の業績発表では、旧WDのHDD事業と比較した決算を示してきた。
2025会計年度第3四半期(2025年1月〜3月期)の売上高は前期(前四半期)比5%減、前年同期比31%増の22億9400万米ドルである。営業利益はGAAPベースが前期比36%増、前年同期比709%増の7億6000万米ドル、Non-GAAPベース前期比1%増、前年同期比290%増の5億9600万米ドルといずれも増加した。
粗利益率はGAAPベースが前期比2.1ポイント増の39.8%、Non-GAAPベースが同1.7ポイント増の40.1%である。売上高営業利益率はGAAPベースが前期比9.9ポイント増の33.1%、Non-GAAPベースが同1.5ポイント増の26.0%となった。前期比では減収増益、前年同期比では増収増益である。
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