Intelの2025年1〜3月期売上高は、前年同期比0.4%減。わずかではあるが前年を下回る結果になった。特に伸びが期待できるはずのデータセンター&AI分野および、ファウンドリー分野の伸び悩みが大きな課題になっている。
2025年4〜6月期の業績予想も前年同期比9%程度の減というマイナス成長の見込みである。残念ながら「負け組」の代表格であり、新CEOの下での体制の立て直しが急務になっている。
SK hynixの2025年1〜3月期売上高は、前年同期比41.9%増。前四半期からは季節要因で減収となったものの、メモリの市場成長率を大きく上回る実績である。HBMで他社に先行して実績を挙げていることが最大の要因で「勝ち組」の1社といえよう。
パートナーであるNVIDIAからは、HBMの増産を強く要求されているので、SK hynixの好調ぶりも当面は継続しそうな見込みである。
Qualcomm は2025年1〜3月期売上高は、前年同期比10.5%増。ロジックの市場成長率に比べて見劣りする。
伸び率だけで言えば「負け組」ということになるが、スマホの需要が伸び悩む中、Qualcommのハンドセット部門の売上高は同3.6%増にとどまっており、これはやむを得ない結果といえよう。むしろ、オートモーティブおよび、IoTの両部門が高成長を遂げたことで、全体で2桁のプラス成長を維持したことは十分に健闘した結果、とみることもできる。
Broadcomの最新決算は、2024年11月〜2025年1月の3カ月になる。同決算の売上高は24.7%増、WSTSによる半導体市場全体の成長率を上回っている。では「勝ち組」かというと、Broadcomの半導体売上高は同11.1%増であり、しかもデータセンター向けのロジックが中心であることを考えると、この伸び率は物足りない。
株式市場では「NVIDIAに次ぐ成長銘柄」として期待されているようだが、その期待に十分応えているとは言い難い。ちなみに2025年2〜4月期の業績予想は前年同期比19%増程度の伸びが見込まれるようだが、NVIDIAとの格差はかなり大きそうだ。筆者としてはBroadcomを「負け組」と評価している。
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