ヌヴォトン テクノロジージャパンは、車載向けHMI(Human Machine Interface)表示LSIとして、第4世代品(Gen.4)となる「Gerda-4M/4L/4C」を開発、量産を始めた。電子ミラーやHUD(ヘッドアップディスプレイ)、クラスターメーターなど電装系の用途に向ける。2026年には、ハイエンド向け統合システムに対応できる第5世代(Gen.5)製品の投入も計画している。
ヌヴォトン テクノロジージャパン(NTCJ)は2025年5月、車載向けHMI(Human Machine Interface)表示LSIとして、第4世代品(Gen.4)となる「Gerda-4M/4L/4C」を開発、量産を始めると発表した。電子ミラーやHUD(ヘッドアップディスプレイ)、クラスターメーターなど電装系の用途に向ける。2026年には、ハイエンド向け統合システムに対応できる第5世代(Gen.5)製品の投入も計画している。
「Gerda」シリーズは、車載向けのHMI表示LSIとして2007年に発売。「0.5秒以内で表示できる高速起動」や「映像の視認性向上」、「2.5D表示」といった特長が高く評価され、カーAVや電装品などに向けて、累計7700万個を出荷してきた。
新たに量産を始めたGen.4製品は3品種。多彩な映像エンジンを搭載し、フルHDに対応したGerda-4M「KM2KSZ1xxシリーズ」。画像圧縮エンジン搭載で、外付けDRAMなしでも高画質な描画表示を可能にするGerda-4L「KM2KSD4xxシリーズ」。高い視認性や機能安全、セキュリティ機能を実現しつつ、コスト効率を追求したGerda-4C「KM2KSZ2xxシリーズ」である。
新製品は、多彩な映像処理エンジンや2.5Dグラフィックスエンジンを搭載したことで、電子ミラーやAR-HUD、クラスターメーターといった応用製品において、視認性と快適性の両立を可能にするという。
例えば、電子ミラーに新製品を採用すれば、夜間のカメラ映像でも、ヘッドライト光によるハレーションの発生や、明暗差が大きい時の白とび/黒つぶれなどを抑えることができる。具体的にGerda-4Mは、局所的な輝度分布に応じたコントラスト調整(ローカルコントラスト機能)を、1フレームの低遅延処理で実現。これにより電子ミラーの視認性を高めることができるという。Gerda-4M は3Mピクセルのカメラにも対応している。
AR-HUD用途では、搭載したひずみ補正エンジンによって、投影するフロントガラスの形に合わせ、自由変形を1フレーム以下という低遅延で表示させることができる。しかも、近視点と遠視点の映像を一つの画面上に両方表示させる「2画面表示HUD」も1チップで対応できる。これにより、少ない視点移動で情報を判別できるため、運転者の負担軽減につながる。
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