レーザー改質・エッチング対応の大型TGVガラスコア基板を開発:日本電気硝子
日本電気硝子は、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質・エッチング加工用とCO2レーザー加工用の「大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板」を新たに開発した。
日本電気硝子は2025年5月、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質・エッチング加工用とCO2レーザー加工用の「大型TGV(Through Glass Vias)ガラスコア基板」を新たに開発したと発表した。
半導体デバイスは、より高性能で高密度化が求められている。これを可能にする手法の1つとしてチップレット技術が注目されている。こうした中、大型のパッケージ基板として平たん性や高絶縁性、高剛性を兼ね備えた無機コア基板のニーズが高まっているという。
このため同社でも、無機コア基板分野に注力し、CO2レーザーを用いてビア加工した「GCコア」や「ガラスコア基板」を独自開発してきた。一方で、レーザー改質・エッチングによるTGV加工のニーズも高まってきたことから、2020年よりガラス材料の開発とサンプル品の提供を行ってきた。
今回、レーザー改質・エッチングに最適な新材料を開発するとともに、自社設備でTGV加工した515×510mmサイズのガラスコア基板について、サンプル供給できる体制を整えた。TGV加工なしの原板についても提供していく。
なお、2024年に発表したCO2レーザー対応の無機コア基板については、2028年の量産開始を目指している。
左はレーザー改質・エッチングによるガラス基板とその断面写真。右はCO2レーザーによるガラス基板とその断面写真[クリックで拡大]出所:日本電気硝子
SiCウエハー市場、単価下落で伸び率鈍化
富士経済は、パワー半導体向けウエハーの世界市場について、2035年までの予測を発表した。特に注目しているがSiCウエハー市場で、2024年の1436億円に対し、2035年は6195億円と約4.3倍に拡大すると予測した。
独自手法でβ型酸化ガリウムを高速成長
東京農工大学の熊谷義直教授らのグループは、次世代パワー半導体の材料として注目されている「β型酸化ガリウム」結晶を、高速に成長させる技術を開発した。このβ型酸化ガリウム結晶は、独自の減圧ホットウォール有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて成長させ、高い精度でn型キャリア密度を制御している。
関税の影響で半導体市場変動パターンが変化する可能性 SEMI予測
SEMIは2025年5月、世界半導体製造産業の2025年第1四半期実績と今後の見通しについて発表した。2025年第1四半期は通常の季節性変動パターンで始まった。しかし今後は、「関税の不確実性により複数の業界で変則的な季節変動が生じる可能性がある」との見方を示した。
515×510mmのガラスセラミックスコア基板を開発
日本電気硝子は、次世代半導体パッケージに向けて、外形寸法が515×510mmという大型のガラスセラミックスコア基板「GCコア」を開発した。
次世代半導体パッケージ用無機コア基板の開発加速
日本電気硝子は、次世代半導体パッケージに向けた無機コア基板の開発を加速するため、レーザー加工機などを手掛けるビアメカニクスと共同開発契約を結んだ。
東北大ら、高屈折率で近赤外光を通す新材料を発見
東北大学は日本電気硝子との共同研究により、屈折率が「5」を超えるなど、シリコンに比べ最大で約1.5倍と極めて高く、しかも近赤外光(波長800〜1200nm)を通す透明な新材料を発見した。
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