インフィニオン C3事業本部 テクニカルマーケティング部 シニアディレクター 浦川辰也氏は「2026年以降はAIサーバラック1台当たり250kW超の電力供給が必要だ。ラック自体の構成を変え、より効率的に電力を使うことが求められるようになる」とする。
ここでは、PSUは1相から3相のシステムに移行し、PSUとBBUをパワーサイドラックとして、ITトレイとは別にまとめるようになる見込みだ。パワーサイドラックからの出力電圧も従来の50Vから400Vあるいは800Vに大幅に上がることになる。
この構成の実現に向け、Infineonはパワー半導体の開発を進めている。PSUも大電力化の傾向にあり、現在は3kWが主流だが、1相/3相の12kWに対応する製品の準備を進めているという。パワー半導体単体での提供に加え、リファレンスデザインとしてPSU全体も手掛ける。
「Infineonは、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)のどれにも対応していることが特徴だ。高速スイッチングにはGaN、高耐圧にはSiCというように、これらの材料の利点を組み合わせてPSUの性能を上げている」(浦川氏)
BBUも大電力化の傾向があり、バッテリーが増加している。しかし全体のサイズは定められているので、DC-DCコンバーターやバッテリーマネジメントシステムを小型化する必要がある。Infineonは特許取得済みの独自の回路トポロジーで高密度化を図っていて、将来的にはGaNの適用を目指しているという。BBUについてもパワー半導体単体での提供とリファレンスデザインとしての提供をどちらも行っている。
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