ドイツ国内のメモリ工場、実現すればQimonda以来。
この記事は、2025年7月28日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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Intelは2025年7月24日(米国時間)、ドイツで計画していた半導体新工場プロジェクトの中止を正式に発表しました。EUが欧州半導体法を背景に自域内の半導体製造能力の拡大を進める中、この計画は最先端の半導体製造技術を呼び込む、EUおよびドイツにおいて最大規模の投資計画として期待されていたものでした。
同計画ではIntelが330億ユーロ以上の投資を予定し、ドイツ政府も99億ユーロの補助を約束。Intel直雇用で3000人、工場の建設作業の雇用として7000人、業界のエコシテム全体で数万人の追加雇用が見込めるとされていました。
近年、Intelの経営状況が悪化し、2024年9月には同計画について2年間の延期が発表されるなど既に望み薄な雰囲気は漂ってはいたものの、正式な計画の白紙化決定の発表ということで、現地では落胆の声が上がっています。建設予定地だったマグデブルクが位置するザクセン=アンハルト州首相やマグデブルク市長らも同月25日、「この決定は驚きではないが、失望を隠せない」「欧州半導体法にとって大きな打撃だ。また、ザクセン=アンハルト州にとっても痛ましい日だ」などとそれぞれコメントを出していました。マグデブルクはIntelから工場建設だった土地を買い戻す方針です。
ただ、同州では現在、半導体工場投資に関する”新たな希望”が話題となっています。というのも最近、Intelが計画を中止したマグデブルク近郊に、メモリ工場を建設する計画の存在が明らかになったのです。
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