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93%減益のソシオネクスト、車載の新規量産で2Qから売上高増へ北米DC向け3nm品も「開発は終盤」(1/2 ページ)

ソシオネクストの2025年度第1四半期業績は、売上高が前年同期比34.5%減の346億円、営業利益は同86.0%減の14億円、純利益は同93.9%減の5億円で、減収減益となった。製品売り上げが予想を若干を下回ったものの、「ほぼ予想に沿った結果」としている。

» 2025年08月01日 10時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソシオネクストは2025年7月31日、2025年度第1四半期(4月〜6月)の決算説明会を行った。2025年度第1四半期の売上高は前年同期比34.5%減の346億円、営業利益は同86.0%減の14億円、純利益は同93.9%減の5億円で、減収減益となった。製品売り上げが予想を若干を下回ったものの、「ほぼ2025年4月時点の予想に沿った結果になった」としている。

2025年度第1四半期業績概要[クリックで拡大]四半期別の売り上げおよび営業利益の推移 左=2025年度第1四半期/右=四半期別の売り上げおよび営業利益の推移[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

中国向け車載7nm品の新規量産がスタート

 ソシオネクストは2025年4月の決算発表時、今後の売上高の推移に関する予想を公表していた。この予想では、在庫調整などに伴う売り上げの減少が続き、2025年度第1四半期は前四半期を下回る可能性があるとした一方、その後は第1四半期を底に、第2四半期、第3四半期からは車載向けの新規量産開始などによって再び売上高が成長に向かうとしていた。

四半期別の売上高推移 四半期別の売上高推移[クリックで拡大] 出所:ソシオネクスト

 今回、ソシオネクストの取締役兼執行役員副社長の米山優氏は「第1四半期は通信機器向けの一部で出荷が少し遅れ、その部分が第2四半期にずれたため予想を若干下回ったが、上期累計、年間のトレンドには変化がない」と説明。通期の業績予想も売上高が前年度比7.2%減の1750億円、営業利益が同44.0%減の140億円、純利益が同46.4%減の105億円とする前回予想を据え置いた。

 なおこの予想の為替レート前提は1米ドル=130円で、為替感応度は米ドルに対し1円の変動で年間の売上高が10億円程度、営業利益が3億円程度とみている。このため前年度の為替レート(1米ドル=152.6円)で、この為替感応度に沿って2025年度予想を計算した場合、売上高は1976億円、営業利益は208億円で増収減益になるという。

 ソシオネクストが、この第2四半期以降の売り上げのけん引役として挙げる車載向けの新規量産品は、具体的には中国向けで7nmプロセスの先進運転支援システム(ADAS)用の新製品だ。米山氏は「既に受注しているので、デマンドについては問題ない。あとは当社がどれくらい初期立ち上げをし量産納入できるかだ。歩留まりは想定範囲だが、作りこみながら歩留まりを上げコストダウンしていく。第1四半期でも少し出荷を始めている」と説明していた。

『第二の成長』に向け進む

 同社は2020〜2024年度に獲得した北米および中国向けのオートモーティブ関連商談がの量産が今後も徐々に増えていく他、2024年度第2四半期に獲得した北米のデータセンター向け3nm品の大型案件の寄与などによって、本格的には2026年度以降に成長が加速する「第二の成長」を見込んでいる。

 なお、この北米のデータセンター向け案件について米山氏は今回、「開発は終盤で2026年後半からの売り上げにつながるものとして進めている」と説明。この量産開始によってデータセンターにおける先端分野で技術力を示し、さらなる顧客開拓を進めていく方針だ。

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