ソシオネクストの会長兼社長の肥塚雅博氏は、2025年4月28日に開催した決算説明会において、今後の成長戦略を語った。
ソシオネクストの会長兼社長の肥塚雅博氏は、2025年4月28日に開催した決算説明会において、今後の成長戦略を語った。オートモーティブ分野や北米のデータセンターでの新規量産開始などを追い風に、2025年度後半以降「第二の成長」とするさらなる成長を見込んでいて、そのための開発体制強化や先行技術投資、経営体制強化/グローバル化を進める。
ソシオネクストは、同社が「第1の変革」とする2018年の事業転換によって、独自の「ソリューションSoC(System on Chip)」ビジネスモデルを展開し、先端テクノロジーを必要とするカスタム商談に注力。また、事業分野もデータセンター/ネットワークやオートモーティブといった成長分野への転換を進めた。これによって特に2019年に獲得した中国通信機器関連商談などの売り上げおよび、その前倒し需要などから2022年度、2023年度は「上場時の想定を上回る」(同社)成長を遂げたとしている。
同日発表した2024年度通期業績および2025年度業績予想では2年連続の減収としているが、肥塚氏は「これは主として中国通信機器関係の需要変動によるものだ」と説明。2025年度後半、本格的には2026年度以降にはこれまで獲得したオートモーティブ分野や北米のデータセンターなどの商談の新規量産が開始し再び成長に向かう「第二の成長」を期待しているという。
具体的には2020〜2024年度に獲得した北米および中国向けのオートモーティブ関連商談などが売り上げに寄与する。同分野は他分野より量産まで時間を要するが、「間もなく量産が始まるものもあり、今後順次増えていく」(肥塚氏)見込みだ。さらに北米のデータセンター関係の商談獲得も成長につながるとした。このほか事務機やコンシューマー関係の量産品も2021年度から2025年度までの大きな在庫調整が終了し、一定の水準で安定的に推移することを期待している。
この第二の成長に向けた成長戦略として、ソシオネクストは「第二の変革」として開発体制の再編強化、先端技術への投資、経営体制の強化/グローバル化を推進する。肥塚氏は「獲得商談をベースにした成長に加え、第二の成長期の売り上げ拡大を確実なものとし、営業利益の拡大にもつなげていきたい」と強調。中期目標として、為替影響を除いた実質で売上高は年平均10%台半ばを、営業利益は10%台半ばから後半を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.