京セラは、京セラSLDレーザー製のGaNレーザーを搭載した水中光無線通信システムを試作し、実海域における実証実験で750Mビット/秒(bps)という世界最速レベルの高速通信に成功した。水中ドローンとの通信など次世代海洋IoTの実現に向け、通信速度をギガレベルまで高めながら、2027年までに同システムの実用化を目指す。
京セラは2025年9月、京セラSLDレーザー製の窒化ガリウム(GaN)レーザーを搭載した水中光無線通信システムを試作し、実海域における実証実験で750Mビット/秒という世界最速レベルの高速通信に成功したと発表した。水中ドローンとの通信など次世代海洋IoTの実現に向け、通信速度をギガレベルにまで高めながら、2027年までに同システムの実用化を目指す。
海洋資源の有効活用や環境保全の重要性が高まる中、スマート養殖や水中インフラ設備の点検/監視用途に、水中ドローンや自律型無人潜水機(AUV)を導入する機運が高まっている。ただ、従来の音響通信だと通信速度が遅いため、水中ドローンなどが撮影した動画などの大容量データを伝送するには課題があった。
そこで京セラは、水中でも減衰が少なく、高速データ通信が可能な光通信に着目した。GaNレーザーを用いた水中光無線通信システムは、大容量のデータを高速かつ低遅延で伝送可能になる。2025年1月に実施した淡水の室内実験では、通信速度1.8Gビット/秒を達成していた。
そして今回は、通信速度が1Gビット/秒の短距離水中光無線通信システムを用い、2025年8月中旬に静岡県沼津市で実証実験を行った。この結果、濁度や外乱光がある海中のような厳しい環境でも、それらの影響をほとんど受けず、短い距離で750Mビット/秒という高速通信が安定して行えることを確認した。
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