米国のFPGAメーカーのEfinixが2025年9月、ハイエンド製品群「Titanium」の拡充を発表した。ロジックエレメント数を最大200万に引き上げ、製品数も20種類に倍増するといい「AIがけん引する産業およびアプリケーションへの貢献を約束する」と強調している。今回、同社のヴァイスプレジデント セールス&ビジネスデベロップメント(JAPI:Japan APAC and India)、中西郁雄氏に話を聞いた。
米国のFPGAメーカーのEfinixは、従来品と比べシリコンサイズを最大4分の1にでき、高性能と低消費電力の両立を実現するという独自技術を柱に製品を展開、後発ながら市場での存在感を増している。
同社は2025年9月、ハイエンド製品群「Titanium」の拡充を発表。ロジックエレメント(LE)数を最大200万に引き上げ、製品数も20種類に倍増し「AIがけん引する産業およびアプリケーションへの貢献を約束する」と強調している。今回、同社のヴァイスプレジデント セールス&ビジネスデベロップメント(JAPI:Japan APAC and India)である中西郁雄氏に話を聞いた。
Efinixは、XilinxやAltera、Lattice SemiconductorなどでのFPGA開発の長い経験を有する2人の共同創業者(CEOのSammy Cheung氏とCTOのTony Ngai氏)によって2012年に設立した米国のFPGAメーカーだ。本社は米国カリフォルニア州クパチーノで、従業員はグローバルで約220人。クパチーノの他、カナダ、ペナン、香港に開発拠点を置く。日本では2019年から展開を開始していて、2025年7月にはFPGAの回路設計とEMS事業におけるOKIとの提携も発表している。
Efinixのキーテクノロジーが、特許取得済みの独自技術「Quantum」アーキテクチャだ。
従来のFPGAは、ロジックと配線が固定比率でシリコンに別々に配置されている。そのためロジックに接続する配線が足りないといった非効率や、配線が多すぎてシリコンエリアを無駄に消費することでチップ単価が上がることなどが課題となっている。Quantumアーキテクチャは、この課題に対応するものだ。
同アーキテクチャでは、ロジックとしても配線としても機能する「XLR(eXchangeable Logic and Routing)セル」を基本的な構成要素としている。ソフトウェア制御によって、XLRセルをロジックで使うか配線で使うかを決められ、設計ニーズに基づいた柔軟かつ高効率的な設計ができる。これによって、従来のFPGAと比較して最大4分の1のシリコンサイズを実現できるという。
中西氏は「1枚のウエハーから取れる個数が多くなることで、より安価に顧客に提供できる。また、シリコンサイズが小さくなることで、当然、低電力も実現する。後は性能を担保できれば、当社製品を採用しない理由はないだろう。そしてそれを、われわれは実現している」と説明。EfinixのFPGAは、低コストかつ競合品と同等以上の性能を発揮しつつも、圧倒的な低消費電力を特徴としているという。
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