次は事業部門(Business Unit)別の売上高を見ていこう。なお前回でもご報告したように、Micronは2025年4月17日(米国時間)に事業部門の再編成を発表した。2025会計年度の決算は、再編成後では初めての年度業績発表となる。
前年度(2024会計年度(2023年9月〜2024年8月期))の事業部門は、「CNBU(Compute and Networking BU)」(コンピューティングとネットワーキング)、「MBU(Mobile BU)」(モバイル)、「SBU(Storage BU)」(ストレージ)、「EBU(Embedded BU)」(組み込み)の4つで構成されていた。2025会計年度の事業部門数は4つで、前年と変わらない。
再編成後の事業部門は、「CMBU(Cloud Memory Business Unit)」(クラウドメモリ)、「CDBU(Core Data Center Business Unit)」(コアデータセンター)、「MCBU(Mobile and Client Business Unit)」(モバイルとクライアント)、「AEBU(Automotive and Embedded Business Unit)」(自動車と組み込み)である。
CMBUは、大規模ハイパースケールクラウド向けのメモリソリューションとデータセンター向けのHBM(high bandwidth memory)を扱う。2025会計年度の売上高は前年比257%増の135億2400万米ドルと急激に上昇した。
CDBUは、OEMデータセンター向けメモリソリューションと、全てのデータセンター向けストレージソリューションを扱う。2025会計年度の売上高は前年比45%増の72億2900万米ドルである。
MCBUは、モバイルとクライアント向けのメモリソリューションとストレージソリューションを扱う。2025会計年度の売上高は前年比2%増の118億5900万米ドルである。
AEBUは自動車と産業、民生向けのメモリソリューションとストレージソリューションを扱う。2025会計年度の売上高は前年比3%増の47億5300万米ドルである。
Micronの主力製品はDRAMとNANDフラッシュメモリである。2025会計年度の売上高に占めるDRAMの比率は76%で、前年度と比べて6ポイント上昇した。NANDフラッシュメモリの比率は23%で、DRAMとは逆に前年度と比べて6ポイント低下した。
2025会計年度通年のDRAM売上高は前年比62%増の285億7800万米ドル、NANDフラッシュメモリ売上高は同18%増の85億300万米ドルである。その他製品(NORフラッシュメモリが大半を占める)の売上高は前年比6%増の2億9700万米ドルとなった。
DRAM製品では、HBM(High Bandwidth Memory)と大容量DIMM、低消費電力サーバー向けDRAMの売り上げがきわめて好調である。これらの売上高は合計で100億米ドルに達しており、前年度の5倍を超えたとする。
(次回に続く)
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