NTT東日本と三菱電機、CC-Link協会(CLPA)は、産業用ネットワーク「CC-Link IE TSN」を搭載した産業用機器同士をIOWN APN(アイオン・オールフォトニクスネットワーク)で結び、遠距離間でのリアルタイム通信に成功した。最大1600km離れた場所に設置された機器をリアルタイムに監視/制御できることを確認した。
NTT東日本と三菱電機、CC-Link協会(CLPA)は2025年10月、産業用ネットワーク「CC-Link IE TSN」を搭載した産業用機器同士をIOWN APN(アイオン・オールフォトニクスネットワーク)で結び、遠距離間でのリアルタイム通信に成功したと発表した。最大1600km離れた場所に設置された機器をリアルタイムに監視/制御できることを確認した。
産業界では、製造現場のデジタル化や遠隔監視/制御のニーズが高まっている。ところが、従来の拠点間ネットワークを活用し、遠隔地にある工場の生産状況を把握したり、製造装置を監視/制御したりしようとしても、「遅延」や「ゆらぎ」が生じて正常な通信が行えないなど課題もあった。
今回の実験では、CC-Link IE TSNのマネジャー局を搭載した三菱電機製シーケンサーを、NTTe-City Labo内の「IOWN Lab」(東京都調布市)に設置。ローカル局を搭載した三菱電機製シーケンサーや、リモート局となる三菱電機製リモートIOを「eXeFIELD AKIBA」(東京都千代田区)に設置した。IOWN APNの実回線を用い、約20km離れたこれらの拠点を接続した。遅延性能とゆらぎ性能を実測した結果、CC-Link IE TSNの仕様を十分に満たしていることを確認した。
OTN Anywhereの遅延調整機能を用い、疑似的に最大1600km(青森〜下関間のAPN距離に相当)の回線遅延を付加した。この結果、IOWN APNで接続された機器間は、CC-Link IE TSNによってリアルタイムに通信できることが分かった。CC-Link IE TSは安全通信機能を備えていて、遠隔地通信を行っても機能安全を確保できる可能性があるという。なお今回は、CC-Link IE TSNのClass B仕様で実証を行い、通信ノード間の同期精度が1マイクロ秒以下であることを確認した。
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