ルネサス エレクトロニクスは、サーバ用DDR5レジスタードDIMM(RDIMM)に向けて、9600Mトランスファー/秒というデータ転送速度を実現したレジスタードクロックドライバー(RCD)IC「RRG5006x」を開発した。一部ユーザーに対してサンプル出荷を始めていて、2027年上半期より量産を始める。
ルネサス エレクトロニクスは2025年11月、サーバ用DDR5レジスタードDIMM(RDIMM)に向けて、9600Mトランスファー/秒というデータ転送速度を実現したレジスタードクロックドライバー(RCD)IC「RRG5006x」を開発したと発表した、一部ユーザーに対してサンプル出荷を始めていて、2027年上半期には量産を始める。なお、開発に協力してきたSamsung Electronicsが既に採用を決定しているという。
RCDは、DIMM上のメモリチップとメモリコントローラ間のバッファーとして機能。安定したクロックをメモリチップに分配することで、安定した動作を可能にする。ルネサスはシグナルインテグリティと電力最適化技術などに強みを持ち、これまでもDDR5用RCD ICで業界をリードしてきたという。
同社が第5世代と呼ぶRCD IC「RRG5005x」のデータ転送速度は8800Mトランスファー/秒だった。第6世代となる今回のRRG5006xは、データ転送速度を10%向上させた。第5世代製品とは下位互換性があり、シームレスにアップグレードが可能である。
シグナルインテグリティと電力効率をさらに高めたことから、生成AIや高性能コンピューティング(HPC)、大規模言語モデル(LLM)といった高負荷の演算処理にも対応できる。また、拡張型ディシジョンフィードバックイコライゼーション(DFE)アーキテクチャによって、過去8回分の信号データを用い、1.5mVごとに補正値を調整できる。このため、高い信号品質を維持できるという。
さらに、ディシジョンエンジンシグナルテレメトリー&マージニング(DESTM)機能により、システムレベルの診断機能を向上させた。これにより、高速通信でも安定した動作が可能だ。
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