ルネサス エレクトロニクスが、Arm Cortex-Mコア搭載の32ビットマイコン製品群「RAファミリー」の新製品で、スマート家電やIoT用途向けの「RA6シリーズ」を発表した。Wi-Fi 6の2.4GHz/5GHzデュアルバンド対応品と、それに加えてBluetooth Low Energy(LE)にも対応した製品をそろえる。
ルネサス エレクトロニクスは2025年12月10日、Arm Cortex-Mコア搭載の32ビットマイコン製品群「RAファミリー」の新製品として、スマート家電やIoT用途向けの「RA6シリーズ」を発表した。Wi-Fi 6の2.4GHz/5GHzデュアルバンド対応品「RA6W1」と、それに加えてBluetooth Low Energy(LE)にも対応した「RA6W2」をそろえる。
近年のIoT機器は、利便性や応答性向上のために常時接続が求められる一方で、バッテリー寿命の延長や環境規制への対応のための省電力化も不可欠だ。
RA6シリーズはそうした要求に応える製品だ。Target Wake Time(TWT)機能によって必要なときだけ通信することで、クラウド接続を維持しながら電力効率を高められる。また、スリープモード時の消費電力は200nA〜4μAと小さい。Wi-Fi 6の2.4GHz/5GHzの両周波数帯に対応していることから、多数のデバイスが接続する環境でも最適な帯域を選択して安定した通信を実現する。
同製品は、最大160MHz動作のArm Cortex-M33コアを搭載。704KバイトのSRAMや各種通信インタフェース、アナログ周辺制御機能も備える。単体でコスト重視のIoTアプリケーションに対応するほか、別のRAファミリー製品をホストマイコンとしながら同製品を無線の拡張機能としても活用できる。
常時接続を低消費電力で実現できる特徴から、用途としてはリアルタイム制御やリモート診断、OTA(Over-The-Air)アップデートが必要な環境センサー、スマートロックなどを想定する。
マイコン単体での提供に加えて、アンテナを内蔵し、グローバルなネットワーク規格に準拠した無線プロトコルスタックを統合したモジュールも提供。Wi-Fi 6対応の「RRQ61001」とWi-Fi 6/BLE対応の「RRQ61051」を用意する。
RA6W1と両モジュールは12月10日に発売。RA6W2は2026年第1四半期に発売予定だ。
1GHz動作のMRAM搭載32ビットマイコンに2製品追加、ルネサス
18nm FD-SOI採用のSTM32が登場 Starlinkシステムに搭載へ
「フィジカルAI開発を加速」STがマイコン用学習済みAIモデル群を発表
Infineonが車載RISC-Vマイコンをアピール 「日本のティア1は特に関心が高い」
突然のマイコンEOL…… 置き換えの難所「要件定義」を2週間で代行Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング