STマイクロエレクトロニクスは、STM32マイコン向けに最適化された学習済みAIモデルライブラリ「STM32 AI Model Zoo」に新たなモデルを追加した。併せてプロジェクトサポートも強化する。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は2025年11月、STM32マイコン向けに最適化された学習済みAIモデルライブラリ「STM32 AI Model Zoo」として新たなモデルを拡充すると発表した。併せてプロジェクトサポートも強化する。
STM32マイコンは、生活家電製品やウェアラブル機器、通信インフラ装置、FA(ファクトリーオートメーション)機器など幅広い分野で採用されている。これらの機器にAI機能を組み込むことで、利用効率の向上や消費電力の低減などが可能となる。
こうした中でSTは、STM32N6シリーズなどAIアクセラレーター搭載マイコンを提供し、組み込みAIやエッジAI市場において多くの実績を積み上げてきた。ソフトウェア&ツール統合セット「ST Edge AI Suite」の一部としてAI Model Zooなども用意、マイコンユーザーの製品開発を支援してきた。最新のAI Model Zooを活用すれば、最小限の電力消費で動作する高効率モデルの開発が比較的容易となり、開発期間の短縮にもつながるという。
今回のモデル拡充によって、ファミリー数はこれまでの30種から60種に増える。この結果、ビジョンやオーディオ、センシングに向けた学習済みAIモデルのライブラリー数は140種以上となる。しかも、Tensor Flow LiteやKeras AIフレーム、LiteRTなどに加え、新たにPyTorchモデルも公式にサポートした。
データサイエンスを応用して実際に動作するアプリケーションを作成し、組み込みプラットフォーム向けに調整する取り組みには、複雑な技術的課題が伴うため、そのプロセス全体を通じて開発者へのサポートが必要となる。STのエッジAIソリューション担当グループバイスプレジデントであるStephane Henry氏は「STは、利用可能なモデルの選択肢を広げると同時に、STM32開発者コミュニティがプロジェクトを迅速に開始できるよう、STM32 AI Model Zoo 4.0を用いた導入に至るまでのインフラも強化している。これは、フィジカルAIの実現に向けたSTの取り組みの一環だ」とコメントしている。
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