三菱マテリアルは、自動車や鉄道車両などに搭載される高出力パワーモジュール用の「焼結型銅接合材料」を開発した。「銅ペースト」と「銅シート」の2タイプから選べる。従来の銀焼結材料に匹敵する低温焼結性を実現した。
三菱マテリアルは2026年1月、自動車や鉄道車両などに搭載される高出力パワーモジュール用の「焼結型銅接合材料」を開発したと発表した。「銅ペースト」と「銅シート」の2タイプから選べる。従来の銀焼結材料に匹敵する低温焼結性を実現した。
自動車や鉄道車両に向けたパワーモジュールは、半導体素子の高温動作や大電流化によって、接合材料には高い耐熱性や放熱性、長期間にわたる信頼性などが求められる。このためこれまでは、銀を主原料とする加圧型の焼結接合材料が用いられてきた。ただ、材料コストの上昇に加え、接合工程によっては接触不良が発生しやすいなど、課題もあった。
そこで今回、銅粒子を用いた焼結型銅接合材料を開発した。この材料は銅精錬工程の副産物を原料とし、銅粉末の合成から銅焼結材料の設計まで一貫した体制で開発に取り組んだ。この結果、粒径は100〜200nmで金属不純物量が極めて少なく、独自の粒子表面被覆設計技術により高い焼結性を有する銅粒子を作り出すことに成功した。
開発した焼結型銅接合材料は、窒素雰囲気下において接合温度が200〜250℃と低く、接合時間も短い。用途に応じて選べるよう銅ペーストと銅シートを用意した。銅ペーストについては、−50℃と200℃の温度環境下で冷熱サイクル試験を行ったところ、1000サイクル後でも接合組織は初期状態を維持していることを確認した。加圧接合時の位置ずれも抑えられた。
銅シートは搬送やセットが容易で、印刷工程や有機成分の乾燥工程などが不要となる。このため、これらの工程分は短縮できる。有機成分の含有量もペーストタイプに比べて少なく、大面積のパワーモジュールでも空隙(ポイド)の発生が少ない。厚みを確保するのも容易で、接合の品質や信頼性を向上できるという。
無酸素銅を開発、1000℃の熱処理後も結晶組織は均一
600mm角のシリコン基板、三菱マテリアルが開発
3Dプリンターを用いて2層構造のチタン製水電解電極を開発
高放熱、高絶縁の放熱絶縁シート 住友ベークが開発
富士電機とボッシュ、互換性あるSiC車載モジュール開発へ
GaN、SiCパワー半導体の技術革新――PCIM 2025レポートCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング