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「究極の半導体」ダイヤモンドを社会へ 動態展示も実現の早大発新興Power Diamond Systems 藤嶌辰也氏/宇田川昌和氏(1/3 ページ)

電力需要の増大でパワー半導体の性能向上の重要性が高まる中、次世代パワー半導体の研究開発が進んでいる。中でも優れた物性値を誇り、「究極の半導体材料」と称されるのがダイヤモンドだ。ダイヤモンド半導体の研究を進めるPower Diamond Systems(PDS) Co-Founder&CEOの藤嶌辰也氏、同社 事業連携統括 宇田川昌和氏に、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた同社の取り組みについて聞いた。

» 2026年03月30日 13時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 AI技術の進展などにより電力需要が増大し、パワー半導体の性能向上の重要性が高まる中、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といった次世代パワー半導体の研究開発が進んでいる。

 中でも優れた物性値を誇り、「究極の半導体材料」とも称されるのがダイヤモンドだ。ダイヤモンド半導体の研究を進めるPower Diamond Systems(PDS) Co-Founder&CEOの藤嶌辰也氏、同社 事業連携統括 宇田川昌和氏に、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた同社の取り組みについて聞いた。

Power Diamond Systemsが開発したダイヤモンドMOSFETを搭載した評価ボード Power Diamond Systemsが開発したダイヤモンドMOSFETを搭載した評価ボード[クリックで拡大]

早稲田大の研究をもとに設立 EVやデータセンターでの利用に期待

――PDSの創業の背景について教えてください。

Power Diamond Systems 藤嶌辰也氏 Power Diamond Systems 藤嶌辰也氏[クリックで拡大] 出所:Power Diamond Systems

藤嶌辰也氏 PDSは早稲田大学発のスタートアップだ。早稲田大学は2022年4月、学術的な研究成果の社会実装を目指すベンチャーキャピタル「早稲田大学ベンチャーズ(WUV)」を設立した。ダイヤモンド半導体について早稲田大学では理工学術院 名誉教授の川原田洋氏らによる20年以上の研究実績があったことから、2022年8月、WUVの支援でPDSが設立された。私はロームやマサチューセッツ工科大学(MIT)でのGaNパワーデバイス研究、スタートアップでのビジネス経験を通して「優れた研究シーズを社会実装につなげていきたい」という思いがあり、創業メンバーとして参画した。

――半導体材料としてのダイヤモンドはどのような特性を持っていますか。また、想定される用途はどのような分野ですか。

藤嶌氏 大きな特徴は熱伝導率と絶縁破壊電界がともに高いことで、SiCやGaNをも大きく上回り、現在のパワー半導体の材料の中でトップクラスだ。熱伝導率の高さは現在のパワー半導体市場で特に求められる要素だ。耐放射線性や高温動作性も期待されている。

 今すぐにデバイスを提供できるという状況ではないのでまだ用途は絞らず、他の半導体に対してダイヤモンドに優位性がある用途は何か考えている段階だ。電気自動車(EV)などのモビリティ、データセンター、再生可能エネルギー、送電網などで利用できるのではないかと考えている。加えて、航空宇宙や原子力発電所などの過酷な環境もターゲットになる可能性がある。

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