三菱マテリアルは、チップレット技術を用いた半導体パッケージに向けた「角型シリコン基板」を開発した。開発した四角形状シリコン基板の外形は「600mm角など世界最大級」(同社)という。
三菱マテリアルは2024年8月、チップレット技術を用いた半導体パッケージに向けた「角型シリコン基板」を開発したと発表した。開発した四角形状シリコン基板の外形は「600mm角など世界最大級」(同社)という。
サーバ用CPUやGPUなどの高性能化に伴い、パッケージ技術も新たな対応が求められている。その一つがチップレット技術である。従来は大規模な回路を1チップに集積していた。これに対しチップレットは、複数の半導体チップを個別に製造し、これらを組み合わせて1つのパッケージに収める技術。この時に用いられるのが半導体チップを配置するためのキャリア基板で、基板上に実装されたチップ間の配線などを行う。
ところが、従来技術では単結晶シリコン材料から大型基板を作製するのは極めて難しかったという。このため、キャリア基板として大型ガラスパネルなどを用いたPLP(Panel-level-Package)が開発されている。ただ、再配線層(RDL)を形成する加熱工程での偏熱や熱収縮により、反りが発生するなど課題もあった。
そこで同社は、これまで培ってきた大型シリコンインゴット鋳造技術や独自の加工技術を組み合わせることで、高い平坦度と低い表面粗さを実現しつつ、大面積かつ四角形状の「角型シリコン基板」を開発することに成功した。角型シリコン基板は高い剛性と熱伝導性能により、RDL形成工程における反りも改善できることを確認した。
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