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中国が「半導体製造装置の自給自足」に苦戦している理由(後編)EUV露光装置には数十年単位の壁(2/2 ページ)

» 2026年02月26日 09時00分 公開
[Anton ShilovEE Times]
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先端露光装置は数十年単位の壁、近道はなし

 SMICは7nmクラスのプロセス技術によって、ASMLの液浸DUV装置でマルチパターニングを強行することで先端ノードが実現できると示した。しかしスループットと経済性が制約要因のままだ。加えて、国内の露光装置の現状を踏まえると、中国の先端ノードが近い将来に国産装置へ依存する可能性は低い。

中国は入手できない高NA EUV露光装置 中国は入手できない高NA EUV露光装置 出所:ASML

 Peddie氏は「最先端の露光装置の話をするなら、ASMLが新しい世代の機種を生み出すスピードに目を向けてほしい。彼らは"秘伝のソース”を握っている。今日の露光装置の複雑さは『黒魔術と常温核融合の中間くらい』にあるといってもいい。中国がかなり速く追い上げられることを示してきたのは確かだが、航空母艦、第7世代戦闘機、月面打ち上げ、AIを例に見れば、どれほど資源を注ぎ込んでも、すぐには実現できないことが分かる」と語った。

 28nmから16nmや7nmへ進むことは、どの装置メーカーにとっても単純な段階移行ではない。移行に伴って精度とプロセス制御に関する新しい要求が導入され、複雑さとコストが根本的に増す。ASMLの28nmクラスの液浸DUV装置(Twinscan XT:1930iやXT:1950iなど)は2010年頃には既に成熟していた。しかし、2020年頃まで「Twinscan NXT:2000i」のようなDUV装置で5nmクラスの能力を達成するには、はるかに高度な技術が必要だった。そこには自己整合4重パターニング、高度な光近接効果補正、新しいマスク、さらには新しいレジストまで含まれていた。

 これらの能力はいずれも開発し得るが、近道はなく、段階的に積み上げるプロセスになる。さらにNXT:2000iのようなシステムは、より先進的な「NXT:2050i」や「NXT:2100i」と同様、これらの装置向けに精密に調整された部品と原材料の緊密に統合されたエコシステムに依存している。

 「実際、先端の液浸DUV露光装置で中国の半導体産業が西側に追い付くまでには何十年もかかり得る。低開口数(NA)極端紫外線(EUV)装置ではさらに時間がかかるだろう」と、Hutcheson氏は述べた。

 Hutcheson氏はまた、「私が1978〜79年にこの業界に入ったころ、中国の露光装置産業は西側に対してわずか1世代遅れているだけで、海外製装置を強く求めていた。約50年後の今、彼らは複数世代遅れている。質問に同等比較で直接答えるなら、KrF露光装置が追い付くのにあと3〜5年、ArFではさらに数年、ArF液浸は10〜15年かかるだろう。低NA EUVは20〜30年、あるいは追い付けないかもしれない。日本でさえEUVを成し遂げられなかった。日本には世界有数のレンズメーカーがあるにもかかわらずだ」と語った。

 これほど大きな差は、中国が追い付けるのか、そして追い付いたとして量とコストの面で競争力を維持できるのか、という疑問を当然に生む。

 Hutcheson氏は「中国には垂直統合されたサプライチェーンがある。市場を予測して外部サプライチェーンと連携し、四半期ごとの利益増加という要件を満たす必要がない。人々は忘れがちだが、中国は中国共産党がそう望むときには今なお共産主義経済だ。本当の問題は、許容できる歩留まりを出せる装置を実現できるかどうかだ。西側装置と定量的/定性的に同等であることが、中国が露光装置を提供できる能力の真の制約になってきた。だからこそ、多くの装置が買われたものの、工場で遊休化しているとおわれている」と述べた。

 最終的に方向性は明確だ。装置における国内置き換えは加速していて、政府の後押しも堅固であり、戦略的意図は揺らいでいない。ただし運用は柔軟になったとも報じられている。未解決なのは方向ではなくタイミングだ。特に露光におけるタイミングであり、先端領域での価格設定も懸念材料として残っている。

 Hutcheson氏は「米国の制約を踏まえると、中国は独自の半導体製造装置の垂直統合を構築する必要がある。しかし、それを自国の半導体産業を犠牲にしてまで進める余裕はない」と述べた。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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