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米政府が「H200」の対中輸出容認、NVIDIAはチャンスを生かせるか二転三転する政策(1/3 ページ)

米政府がNVIDIAのAIプロセッサ「H200」の対中輸出を容認する方針を表明した。一方で中国では、先端半導体も含めて自給自足しようとする動きが継続している。地政学的な“綱引き”が続く中、NVIDIAは中国市場というチャンスを生かせるのか。

» 2026年01月15日 08時00分 公開
[Pablo ValerioEE Times]

 NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏は、米国ネバダ州ラスベガスで2026年1月6〜9日(現地時間)に開催された「CES 2026」において、同社が現在複雑な地政学的課題に直面しているにもかかわらず、非常に自信に満ちているように見えた。

 Huang氏は、多くの聴衆の前に立ち、同社の最新AIプロセッサ「H200」に対する中国からの需要が非常に大きいことを明らかにした。同氏は、2026年1月6日に行われたQ&Aセッションにおいて「われわれはサプライチェーンをフル稼働させ、H200は生産ラインを流れている。現在、米国政府と間でライセンス供与に関する最終的な詳細を詰めているところだ」と述べた。

「CES 2026」基調講演でのJensen Huang氏 出所:NVIDIA 「CES 2026」基調講演でのJensen Huang氏 出所:NVIDIA

 Huang氏は自信にあふれた発言をしているが、NVIDIAは一連の複雑な規制の問題に直面しており、半導体チップの販売が非常に難しいという状況にある。同社はTSMCに生産の増加を要請しているが、対応しなければならない大きな問題が2つある。1つ目は、米国政府による25%の税金。そして2つ目は、中国政府が顧客企業に対し、国内(中国内)の競合メーカーからの調達を推進する政策を講じているという点だ。

サプライチェーンの混乱

 NVIDIAは、新たに見いだした今回のチャンスを十分に活用すべく、素早い動きを見せている。状況に詳しい関係者によると、同社は、中国技術メーカーからの増大する需要に対応するために、TSMCに対してH200チップを増産するよう正式に要請したところだという。

 データを見ると、計算性能に対する需要が非常に大きいことが分かる。報道によると、ByteDanceやAlibabaのような中国技術大手は、200万個超のH200チップを発注しており、2026年中に納入される予定だという。このような需要は、NVIDIAの現在の在庫数約70万個を優に超えるため、同社は2026年第2四半期に追加生産を開始する予定だとしている。

 H200チップの価格は約2万7000米ドルで、中国で販売されてきた初期のH20プロセッサと比べると大幅な性能向上を実現するという。しかし、このような受注の納品は、単なる物流の問題ではなく、政治的安定性にも左右される。Huang氏も2026年1月6日に登壇した時、「将来的にはスケジュール通り出荷するが、現在は、許可された時に出荷する」と述べている。

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