AI半導体スタートアップの米SambaNova SystemsがIntelとの提携を発表した。IntelがSambaNovaを約16億米ドルで買収する方針という以前の報道とは異なる結果になった。両社は複数年にわたるパートナーシップを締結。IntelはSambaNovaの3億5千万米ドルのシリーズE資金調達ラウンドの一環として戦略的投資を行った。
AI半導体スタートアップの米SambaNova Systems(以下、SambaNova)は、Intelとの提携を発表した。IntelがSambaNovaを約16億米ドルで買収する方針という以前の報道とは異なる結果になった。両社は複数年にわたるパートナーシップを締結し、IntelはSambaNovaの3億5千万米ドルのシリーズE資金調達ラウンドの一環として戦略的投資を行った。
SambaNovaはIntelとの提携に合わせ、大規模な経済エージェント推論向けに設計された新チップ「SN50」も発表した。このチップは、単一のメモリ空間により多くのチップを接続できる新しいインターコネクト技術を搭載していて、SambaNovaの既存推論チップ「SN40L」と同じメモリ容量と階層構造でありながら、演算能力が向上したという。
IntelもSambaNovaも、2025年末にIntelがSambaNovaを買収する予定だという報道を認めなかった。SambaNovaのCEOを務めるRodrigo Liang氏は米国EE Timesに対し「資金調達ラウンドは当社にとって間違いなく正しい決断だ」と語った。
Liang氏は「2025年末の市場で見られたように、世界は依然としてAIチップや、それらが提供できる価値に大きな期待を寄せている」と述べている(実際、NVIDIAは2025年12月、競合企業のGroqを約200億米ドルで買収したと報じられている)
「SambaNovaは2025年、記録的な業績を達成し、当社の方向性に対する大きな自信につながった。サービスプロバイダー向けに適切な経済性、効率性、性能を備えたインフラを販売するというビジネスモデルによって、大きく勢いづくことができたと確信している」(Liang氏)
SambaNovaの3億5000万米ドルのシリーズEは「すさまじいほどの応募超過だった」とLiang氏は述べている。
他の企業と同様に、SambaNovaはトレーニングよりも推論に焦点を再び合わせるために「ピットストップ」を行い、2025年の大半はトークノミクス(LLM推論を大規模に提供するによる経済性)に注力した。
Liang氏は「2025年後半は市場の勢いがすさまじく、当社が行った修正や変更が本格的に効果を出し始めていると確信できた。こうした状況の中、新たな資金調達ラウンドを実施したことは本当に理にかなっていた」と述べている。
今回の投資ラウンドは、Vista Equity PartnersやCambium Capitalが主導し、Intel Capitalの他、カタールやサウジアラビアなどさまざまな国の政府系ファンドが参加した。また、SambaNovaは現在、ドイツや英国、オーストラリア、日本、フランスなどの国々でもソブリンパートナーシップを有している。
Liang氏は「われわれのソブリン事業は、4〜5カ月ほど前に始動した。SambaNovaクラウドとして各地域へ販売するが、運営は当社のパートナー企業や顧客企業が担う。これが引き続き、当社の主要なビジネスモデルとなる見込みだ。今後も当社自身が大規模クラウドプロバイダーになるのではなく、クラウドおよびソブリンクラウド向けにインフラを販売していく考えだ」と述べる。
SambaNovaは、Intelとの複数年にわたるパートナーシップの一環として、Intelの「Xeon」インフラを基盤とする開発クラウドサービス「SambaNova Cloud」を拡張する。SambaNovaは以前、製造ワークロードがSambaNova Cloud上で実行されていると明かしていたが、Liang氏は「GroqやCerebrasと同じような大手AIクラウドプロバイダーになるつもりはない」と明言する。同氏は「エージェント型AIを手掛ける開発者は、さまざまな地域でSambaNova製ハードウェアにアクセスでき、SambaNovaのパートナー/顧客企業を通してこれらの市場にアクセス可能になる」と述べている。
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