河村氏は今後重点的に取り組むことは「企業価値の最大化」だとし、それに向けて「再成長の実現」「発信力の強化」に注力する。再成長に向けては新規事業の早期具体化とシャープブランドのグローバル拡大を推進する考えだ。河村氏は「私の海外経験から、期待を高めてもらえるのではないか。親会社である鴻海精密工業(以下、鴻海)のリソースを活用することも重要だ」と説明する。発信力の強化に向けては、経営陣が積極的な発信を行い、ステークホルダーの信頼獲得を目指すという。
鴻海との連携については、河村氏は「鴻海の企業規模はシャープと比べて桁違いに大きいが、『シャープの重たい荷物を代わりに担いでもらう』というような一方的な関係であってはいけない。お互い持っているアセットは異なるので、それを生かしてシナジーを生むことに貢献したい。シャープが持つアセットは、全世界で認知されているブランドと販売/サービスのネットワークだ。鴻海はバリューチェーンの川上の部分に強みを持つので、その出口戦略でシャープが貢献できる」と述べた。
2026年4月1日付で組織再編も行う。最高技術責任者(CTO)には、スマートビジネスソリューション事業本部長だった徳山満氏が就任する。さらに、河村氏は新規事業への取り組みが「まだ1年で、志半ば」だとして、社長直轄で事業開発担当を設置する。統括責任者は河村氏が、副統括責任者は徳山氏が兼務する形で、河村氏は「CTOと二人三脚で進めたい」と語る。AIサーバや電気自動車(EV)などの新規事業は、まず事業化に向けた準備を事業開発担当の下で行い、事業化が近づいたタイミングでビジネスユニットに下ろす計画だ。
河村氏は今後に向け、「シャープを新たな成長のステージに乗せることがミッションだ。しかし、世代が変わっても変わってはいけないことはある。他社と切磋琢磨しながら人々の暮らしを良くしていくという精神と、『二意専心 誠意と創意』という経営信条だ。私は12代目の社長だが、代々、脈々と引き継がれてきたシャープのDNAをこれからも引き継いでいきたい」と力を込めた。
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