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ヒューマノイドはどこまで現実になっているのか「CES 2026」で読み解く――サービスロボットの分水嶺(2)(1/2 ページ)

「CES 2026」ではさまざまなヒューマノイドロボットが展示され、まさに「百花繚乱」だった。今回は筆者の目にとまったヒューマノイドロボットを紹介するとともに、ヒューマノイドロボットが本当はどこまで現実になっているかを探りたい。

» 2026年04月07日 11時00分 公開

⇒連載第1回「「サービスロボットの浸透」 なぜ米国は待ち望むのか」はこちらから

 「CES 2026」において、最も人だかりができていたのがヒューマノイドロボットの展示エリアだ。Samsung Electronics、LG ELectronics(以下、LG)、Hyundai Motor Groupといった大手企業が本格参入し、「研究」から「製品カテゴリー」への転換点を印象づけた。

NEURA Roboticsの展示の一例

 公式統計によれば、CES 2026のヒューマノイドロボティクスカテゴリーには38社が参加。そのうち21社(55%)が中国企業だった。Unitree Robotics、AGiBOT、Galbot、EngineAI、Notics Robotics、北京ヒューマノイドロボットイノベーションセンターなどが名を連ねる。

 韓国勢も存在感を示した。2025年4月に発足した「K-Humanoid Alliance」は、224の会員組織で構成される国家コンソーシアムであり、KAIST、ソウル大学、POSTECHといったトップ研究機関と、Rainbow Robotics、LG、Doosan、HD Hyundai Roboticsといった企業が一体となって展示を行った。韓国政府は2030年までにヒューマノイドロボット分野で世界的リーダーになることを目標に掲げている。

 注目すべき変化は、ヒューマノイドロボットが「立って踊る存在」から「働く存在」へと進化している点だ。各社のコンセプトは明確になりつつある。専用ロボットではなく「人がやることを、1台で全てまかなう」。それがヒューマノイドの存在意義である。前回のサービスロボット紹介に続き、今回はヒューマノイドロボットや、それがサービス産業の現場に入るための技術を紹介する。

ヒューマノイドロボットの展示

 まずは、筆者の目にとまったさまざまなロボットを見てみよう。

NEURA Robotics「4NE-1」。ドイツのNEURA RoboticsはCES 2026で「4NE-1」ヒューマノイドの予約受付を開始した。価格は約2万ユーロ。小型版の「Mini」モデルも発表され、価格帯を抑えた製品展開を進めている[クリックで拡大]
UniX AIは、万能家事ロボットのデモンストレーションを行っていた。家庭内のさまざまなタスクをこなすことを想定した設計で、日常生活への溶け込みを意識した展示だった。目の前の展示では、カクテルを作るデモンストレーションをしていた[クリックで拡大]
WIRobotics「Allex」。上半身のみのヒューマノイドで、腕から指まで可動部位を持つ。製造業、サービス産業、家庭用途まで汎用的に使えることを想定している。特筆すべきは、外部荷重に柔軟に追従する新型高自由度ロボットハンドだ。従来の協働ロボットアームに比べて摩擦と回転慣性が10分の1以上低く、高度なバックドライバビリティを備えている[クリックで拡大]
Unitree Robotics「G1」「H2」「R1」のデモ。G1ヒューマノイドは格闘技を披露し、俊敏性と機動性をアピール。ボクシングスタイルのデモンストレーションでは、パンチ、フック、キックといった動きを披露し、バランス回復能力と耐衝撃性を実証した。同社はRobot-as-a-Service(RaaS)モデルへの移行も表明しており、商用展開への本気度がうかがえる[クリックで拡大]
SHARPAは、トランプを切る、卓球をする、カメラを握るといった動作をするヒューマノイドロボットのデモンストレーションを行っていた。ロボットハンドの器用さと正確性をアピールする内容だった[クリックで拡大]
Fourier Robotics「GR-3」。ヘルスケアと公共サービス環境向けに設計されたケアフォーカスのロボット。柔らかい外装を採用し、非産業環境で親しみやすい印象を与えることを意識している。身長165cm、重量71kg、55の自由度を持ち、体全体に触覚センサーを配置。チェス対戦やダンスパフォーマンスをデモンストレーションしていた。介護、リハビリ、サービス業務といった人と接する用途を想定している[クリックで拡大]

 次ページでは、会場で目にした要素技術の中から、サービス産業に落とし込むに当たって参考になる技術を深掘りしていこう。

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