半導体製造やEMS(電子機器受託製造サービス)などで大きな存在感を放つ台湾。台湾がなぜ、これほどまでにエレクトロニクス/ICT産業で強いのか――。本連載では強さの源泉を探る。
TSMCやNVIDIAは、今や半導体業界以外でも、その名を知られるようになった。TSMCの2026年2月の売上高は、前年同月比22%増となる3176億台湾ドル(約1兆5700億円)、NVIDIAは2026会計年度第4四半期(2025年11月〜2026年1月)の売上高が、前年比65%増となる2159億米ドルを記録した。根強いAI半導体需要を追い風に、両社とも飛ぶ鳥を落とす勢いである。
TSMCは、世界初の半導体専業ファウンドリーとして設立された。創業は1987年、創業者はMorris Chang(張忠謀)氏で、今では台湾の産業界をけん引する中心的な存在となっている。NVIDIAは台湾生まれのJensen Huang氏が米国で起業した半導体のデザインハウス(ファブレス半導体メーカー)だ。創業は1993年で、Huang氏は幅広い分野で台湾の産業界と強いネットワークを持ち、注目を集めている。
このコラムでは、TSMCやNVIDIAをはじめ、台湾ICT産業をけん引する企業の動きに注目しながら、これまで台湾ICT産業が急成長した背景や台湾スタートアップが果たしている役割を紹介し、台湾がなぜ半導体/エレクトロニクス業界で「圧倒的な強み」を持っているのかを探っていく。
さらに、日本とは異なる台湾スタートアップの特徴を理解し、日本企業がどのように台湾のスタートアップとの連携を深めていくべきか、日台で進めるグローバル市場におけるビジネス展開についても考察していこう。
まずは、日本のスタートアップとは少し異なる、台湾スタートアップの特徴を見ていきたい。
台湾スタートアップの特徴をまとめると、次の3つに集約される。1つ目は、最初からグローバル市場をターゲットにしていることだ。台湾というローカルの市場ではなく、欧米、東南アジア、南アジアなどグローバル市場を目指すスタートアップが圧倒的に多い。
2つ目は、台湾大手ベンダーとの連携による市場へのアプローチだ。既にグローバル市場における実績と経験、さらにそれぞれの市場でネットワークを持つ大手ベンダーとの協業がカギになる。
3つ目として挙げられるのが、テック系に強みがあることだ。具体的には、ハードウェア+ソリューションの組み合わせが台湾スタートアップの強みである。こうした点に注目しながら、台湾スタートアップの特徴を解説していきたい。
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