――中国の動きをどう見ていますか。特にヒューマノイドロボット(ヒューマノイド)は、中国プレイヤーの勢いが強く、日本は遅いという声も聞かれます。
齊藤氏 われわれは、日本の動きが遅いとは思っていない。確かに中国メーカーの動きは速く、さまざまな先端技術を積極的に採用する傾向はある。
一部の話題性が高いヒューマノイドを見ると、米国や中国が先行している印象も受ける。では日本が遅れているかというと、そうではない。日本のメーカーは、もっと実用的な視点でロボットというものを考えている。「何の課題を解決するのか。そのためにはどんなロボットが必要なのか」を強く意識している。そこでヒューマノイドが必要だと判断すれば、ヒューマノイドを開発し、使っていくだろう。だが、日本メーカーはそれにこだわっていないだけだ。日本が他に比べて遅れているという感覚を、私は持っていない。
人間であれば感覚的に作業する(動く)ところを、いかにしてロボットでできるようにしていくのか。その技術は非常に難しいので、日本のメーカーでなければ、できないのではないか。
――そうしたメーカーがいる日本で、顧客と多くのディスカッションを持てることは、ADIの製品開発にも役立つということですね。
齊藤氏 それがなければ、アナログ半導体の差別化は難しい。中国メーカーを含め、競合が台頭してくる中で、他に何ができるかを考えなければ競争力の維持は難しい。
なので、わくわくしてたまらないというのが、正直なところだ。
――中東情勢が不安定ですが、現時点で影響はありますか。
齊藤氏 一部、欧州からの物流面で、いつもより日数がかかるといった話は聞いている。それ以外に関しては、明確なことは出てきていない。材料不足などについてはわれわれも動向を注視しているところだが、足元では不足する材料があるという話は出ていない。
――ここからの意気込みについてお聞かせください。
齊藤氏 最も注力したいのは、先ほど話した「野心」の部分だ。当社は現在のCEOも含め、アンビション(野心)を非常に大切にしている。技術があり、ビジネスチャンスがあり、そこに追い風が吹いていたとしても、われわれの想像力が小さければ何も達成できない。
先代のCEOであるJerry Fishman(2013年に逝去)の金言に「われわれの野心の大きさによって将来の成功が決まる(Our future success is only limited by the size of our ambition)」というものがある。これを支えに想像力を生かし、単なるコンポーネントの販売だけでなく、パートナー企業や顧客すらも巻き込んで、社会に貢献していく。
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