東北大学や総合科学研究機構、京都大学、慶應義塾大学の研究グループは、らせん磁性体を用いた新型磁気メモリ開発に需要となる基盤技術を確立した。今回の研究では、らせん磁性の巻き方を直接観測し、試料体積の90%以上という精度で巻き方を制御できることが分かった。
東北大学や総合科学研究機構、京都大学、慶應義塾大学の研究グループは2026年6月、らせん磁性体を用いた新型磁気メモリ開発に重要となる基盤技術を確立したと発表した。今回の研究では、らせん磁性の巻き方を直接観測し、試料体積の90%以上という精度で巻き方を制御できることが分かった。
らせん磁性体は、磁化を持たず周囲に磁場を作らない磁性体の1つである。「右巻き」や「左巻き」といったらせんの巻き方を「0」や「1」に割り当て、これを電気的に制御することで情報の書き込みが行える。これまで、金属らせん磁性体に電流と磁場を同時に印加して、巻き方を制御できることは報告されてきたが、らせんの巻き方を直接観測することはできなかったという。
そこで今回、室温でも安定しているらせん磁性体のYMn6Sn6に着目。独自に開発した実験セットアップに大電流と強磁場を印加することで、らせん磁性の巻き方を制御した試料を用意した。この試料を用い中性子実験施設でスピン偏極中性子散乱実験を行った。
その結果、入射中性子のスピンに応じて、中性子散乱強度が大きく異なることが分かった。特に、試料体積全体の90%以上(最大99%)が片方の巻き方に揃っていることを確認した。また、巻き方を制御するための電流と磁場を反転させた試料で確認したところ、「右巻き」あるいは「左巻き」のいずれか一方の状態に制御できることも実証した。
今回の成果は、東北大学金属材料研究所の増田英俊講師、柳澤祐太郎大学院生、小野瀬佳文教授、総合科学研究機構中性子科学センターの大石一城主任研究員、京都大学複合原子力科学研究所の南部雄亮特定教授、慶應義塾大学理工学部の新居陽一准教授らによるものである。
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微小な磁石をジグザグに並べ電気の流れを制御Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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