東北大学は、酸化物系全固体電池の製造プロセスを簡素化できる新たな界面形成手法を開発した。超音波接合法を用いることで、リチウム金属とガーネット型酸化物固体電解質(LLZO)の界面を室温かつ短時間で形成できるという。
東北大学は2026年3月、酸化物系全固体電池の製造プロセスを簡素化できる新たな界面形成手法を開発したと発表した。超音波接合法を用いることで、リチウム金属とガーネット型酸化物固体電解質(LLZO)の界面を室温かつ短時間で形成できるという。界面抵抗は約225Ω・cm2まで低減、Au層を併用すれば約1.5Ω・cm2となる。
全固体リチウム金属電池は、高い安全性とエネルギー密度の観点から、次世代電池として注目されている。中でもLLZO(Li7La3Zr2O12)は有力な材料の1つである。ただ、リチウム金属との界面接触不良や、表面に形成される絶縁性炭酸リチウム層(Li2CO3)によって、高い界面抵抗が生じるなど課題もあった。
研究グループは今回、リチウム金属とLLZOの界面形成に超音波接合技術を応用した。超音波振動で表面の絶縁層を破壊する。それと同時に加圧下でリチウム金属が塑性変形し、硬質のLLZO表面に密着することを確認した。しかも、室温かつ数秒という短い時間で両者を直接接合できた。
超音波接合だけでも界面抵抗はかなり小さくなったが、薄いAu層を併用すれば、界面抵抗は一段と低減されることが分かった。しかも、従来のように高温処理や溶融リチウムを用いる必要はないという。
研究グループは今後、界面の微細構造や接合メカニズムを詳細に解析していく。また、固体電解質表面の粗さや結晶粒界の状態が接合特性に与える影響などについても、体系的に検討を行っていくことにしている。
今回の研究成果は、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の程建鋒准教授、同大学金属材料研究所の加藤秀実教授、同大学大学院工学研究科の福田幹久大学院生らによるものである。
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