東北大学の研究グループは、テラヘルツ波帯で動作する「光スイッチ」を開発した。第6世代移動通信(6G)に向けたフォトニック集積回路(PIC)の小型化や省電力化に貢献できるとみている。
東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻の金森義明教授らによる研究グループは2026年5月、テラヘルツ波帯で動作する「光スイッチ」を開発したと発表した。第6世代移動通信(6G)に向けたフォトニック集積回路(PIC)の小型化や省電力化に貢献できるとみている。
テラヘルツ波帯で動作させるPICではこれまで、「低損失伝搬」と「電気的駆動性」を両立させることが極めて難しかったという。こうした中で研究グループは、高抵抗単結晶シリコンの単層基板上に、テラヘルツ導波路とMEMS構造を一体形成したデバイス構造を新たに開発した。
試作したデバイスは、長さが5.65mmで単層のシリコン基板上に導波路と可動機構を集積した構造となっている。MEMS技術で作製した櫛歯静電型アクチュエーターによりシリコン導波路を可動させることで、テラヘルツ波の伝搬状態を切り替える仕組みを実現した。
具体的には、電圧増加によって可動導波路が移動し、固定導波路とのギャップ(距離)が変化する。これにより、テラヘルツ波のオン、オフが切り替わる。光スイッチの出力特性を示すデータからも、印加電圧によってテラヘルツ波のオン、オフ制御が可能なことを確認した。
試作したデバイスは、最大約185μmの変位を93Vで達成。しかも、300GHzにおいて消光比13.69dBという高いスイッチ性能を実現した。動作時の消費電力は3.6mWに抑えた。
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