前四半期と比較すると、売上高は5.3%増、営業利益は38.6%増、経常利益は1.5%減、純利益は14.9%増だった。太陽誘電の取締役専務執行役員を務める福田智光氏は、主な増益要因として販売数量の増加による操業度効果を挙げる。一方、当初は増加予定だった棚卸資産は、海外拠点の物流停滞によって工場稼働に制約が生じたことから、前四半期と同水準にとどまった。
福田氏は「コンデンサーの稼働率は80%台後半を予定していたが、物流停滞の影響で85%程度になった。4月には労使間協議の影響による制約もあり、仮にこれらがなければ、売上高はあと40億円強上乗せできる見込みだった」と述べる。なお、これらの問題はすでに解消されていて、2027年3月期第2四半期以降の業績には影響しない見込みだ。
受注高は1482億円、受注残高は1362億円と大幅増を達成。特に目覚ましいのがコンデンサーで、受注高が前四半期比41%増の1186億円、受注残高が同78%増の1128億円だった。福田氏は「AIサーバ向けを中心とした需要の増加に加え、一部顧客での在庫水準引き上げの動きが影響したと思われる。BBレシオ(売上高に対する受注高の割合)は全体で1.58、コンデンサー単体で1.72と、四半期単位で過去最高の水準を記録した」とする。
AIサーバ向けでの需要拡大や高いBBレシオを受けて、2027年3月期通期の業績予想を上方修正した。売上高は当初予想から10.4%増の4240億円、営業利益は同50%増の450億円、経常利益は同55.6%増の420億円、純利益は同61.1%増の290億円になる。
主な要因として、AIサーバ向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)の大容量化や員数増が想定を上回る見込みなことに加え、メモリモジュールなど情報機器向けの受注も好調なこと、ドル高円安による為替影響などを挙げる。
また、AIサーバ需要の高さを受けて、設備投資額も当初予想の400億円から420億円に増額。中期経営計画2030(2026〜2030年度)で予定していたマレーシアでのMLCC新工場建設も、前倒しで着工することを決定した。「今期中に着工して、2028年度中の完成を目指す。生産を開始して能力増強に寄与するのは中計の後半以降になるが、中期的な需要増を見据えた投資判断だ」(福田氏)
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