ai&は2026年に設立された日本のAI企業で、データセンターからGPU/NPUなどの計算基盤、AI推論サービス、AIモデルまでを一体で手掛ける。単一のアクセラレーターに依存するのではなく、ワークロードに応じて複数のハードウェアを組み合わせるAIインフラを構築している。
ai& 共同創業者兼CEOのDavid Bennett氏は、Rebellionsの採用に当たって「ほぼ全てのAI NPUベンダーと話した」と話す。
選定で重視したポイントの1つが、既存のAIインフラにどれだけ容易に組み込めるかだ。ai&のように複数のアクセラレーターを組み合わせる場合、製品ごとに専用のソフトウェア環境を構築すれば、導入/運用負担が増える。Bennett氏は、Rebellionsの「No Forks」によって既存環境に近い形で導入できる点を評価したという。
判断基準は単純なベンチマーク性能ではない。Bennett氏は、AI半導体ベンダーが「性能が高い」「消費電力が低い」と主張していても、それが「実際にユーザーが使いたいモデル」で実現できるかが重要だと指摘。Rebellionsが幅広い規模のモデルに対応できる点に期待を示した。
ai&は、AIモデルを用途に応じて使い分ける「モデルオーケストレーション」の考え方を、ハードウェアレベルにも適用する。複雑な処理から比較的軽い処理までを一律に高性能GPUで実行するのではなく、ワークロードに応じてGPUやNPUなどを使い分け、インフラ全体の効率を高める考えだ。
RebellionsがNVIDIAのGPUなどの競合製品に対する差別化要因として強調するのが、AI推論の「経済性」だ。
Choy氏は、同社が重視しているのはピーク性能だけではなく、「1米ドル当たり」「1W当たり」でどれだけ推論処理を実行できるかだと説明する。設備投資と運用コストを抑えることで、同じ価格でAIサービスを提供してもサービス事業者の利益率を高められるとする。「われわれの目標は、推論の単位コストを限りなくゼロに近づけることだ」(Choy氏)
その実現に向けたポイントとして同氏が挙げたのが、サプライチェーンの合理化だ。RebellionsはSamsung FoundryやSK hynixなどを含む韓国を軸としたサプライチェーンを構築することで、コストを抑える。
NPU自体も推論処理向けに独自設計している。Rebellionsによると、同社のNPUはRISC-Vベースではなく、独自アーキテクチャを採用する。チップレット構成で、チップ上のSRAMと広帯域メモリ(HBM)を利用する。
ai&は現在、国内で約12MWのデータセンター容量を運用していて、2027年末までに40MWまで拡大する計画だ。RebellionsのRebelRackも、このインフラに段階的に導入する。
Rebellionsは、既存データセンターへの導入のしやすさも重視している。Choy氏は、既存設備への導入を前提として、まず空冷で利用できる設計を採用していると説明した。
Rebellionsにとって今回の提携は、日本でAIインフラを本格的に展開する上での「大きなマイルストーン」になるという。AI推論能力に対する需要が急増する中、Choy氏は日本市場について「今は転換期にある」と語る。これまでのように新技術を小規模に導入し、時間をかけて検証した後に拡大する手法では、AI需要の伸びに対応できないとの見方だ。
GPUを含む複数のアクセラレーターを使い分けるai&と、推論に特化したNPUを中核に据えるRebellions。両社はAIインフラの選択肢を広げることで、国内で拡大するAI推論需要の取り込みを狙う。
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