「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要を紹介するシリーズ。今回は「2.2.2.3 5Gミリ波, 6G実装動向」の概要を紹介する。各世代の特徴や実用化の動向を取り上げている。
電子情報技術産業協会(JEITA)が2026年6月に発行した「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズの第13回である。報告のベースは、2026年6月9日に開催された完成報告会(注:報告会の撮影および録音は禁止)の講演スライドとロードマップ本体だ。ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(JJTRC:Japan Jisso Technology Roadmap Council)のご協力を得て講演スライドの一部を掲載している。この場を借りて同委員会の皆さまに深く感謝したい。
シリーズの第4回では、「第2章 注目される市場と電子機器群」の第2章第2節「2.2 情報通信」の概要説明を始めた。「2.2 情報通信」は、「2.2.1 コンピューティングの分類および動向」と「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」に大別される。前回では「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」の2番目の項目である「2.2.2.2 メタバースデバイス」の概要をご報告した。今回は3番目かつ最後の項目となる「2.2.2.3 5Gミリ波, 6G実装動向」の概要をご説明しよう。
「2.2.2.3 5Gミリ波, 6G実装動向」は「(1)第4世代以降の通信方式」「(2)6Gとは」「(3)4G、5G、6Gにおける実装構造の特徴」の各項目で構成される。
移動体通信システムにおける現在の主力は「第4世代(4G)」である。無線通信の周波数帯は700MHz帯と800MHz帯であり、将来世代に比べると低い。このため障害物に強く、広い領域をカバーする。データ通信速度は数十Mビット/秒〜数百Mビット/秒と、メッセージテキストや静止画などの送受信、動画のないWebサイトの閲覧には十分に速い。
第5世代(5G)には、周波数帯域の異なる2種類のシステムが存在する。1つは「サブシックス(Sub6)」とも呼ばれるシステムである。3.4GHz帯〜4.5GHz帯、すなわち6GHzよりも低い周波数帯域を無線通信に利用する。2025年8月時点における日本国内のエリアカバー率は約98%に達しており、ほぼ全国をカバーしていることが分かる。データ通信速度は数Gビット/秒と高い。
もう1つは「ミリ波」と呼ばれるシステムである。無線通信の周波数帯が24GHz超とかなり高い。4Gおよびサブシックスと比べて高速あるいは大容量(10Gビット/秒前後)の無線通信を実現できる。ただし無線の到達距離が短い、障害物に弱いといった問題がある。日本国内ではスマートフォンの60%を占めるとされる「iPhone」がミリ波に対応しておらず、普及の妨げとなっている。国内のエリアカバー率は0.1%〜0.2%と極めて少ない。
第6世代(6G)は、無線通信用周波数帯の検討段階にある。1つは「FR3」と呼ばれる7.125GHz〜24.25GHzの周波数帯(中周波)、もう1つは「テラヘルツ」と呼ばれる0.1THz〜0.3THzの周波数帯(THz帯)であり、FR3を中心にITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)で議論が進んでいる。なお正式な名称は6Gが「IMT-2030」、5Gが「IMT-2020」である。
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