キヤノンの2026年第3四半期(7〜9月)のインダストリアルビジネスユニットは、前年同期比で減収減益となった。一方、半導体製造装置はAI関連需要の拡大を背景に、メモリ向けKrF装置が好調で増収となった。2026年第4四半期には販売台数が大幅に増加する見通しだ。ナノインプリントリソグラフィ(NIL)についても、2027年からの量産適用に向けた検証が進んでいる。
キヤノンは2026年10月27日、2026年第3四半期(7〜9月)の業績を発表した。売上高は前年同期比4.9%増の1兆1588億円、営業利益は同10.3%増の971億円、営業利益率は同0.4ポイント増の8.4%だった。
半導体製造装置を手掛けるインダストリアルビジネスユニットでは、売上高は前年同期比13.7%減の737億円、営業利益は同9.2%減の127億円、営業利益率は同0.9ポイント増の17.2%だった。2026年通期では、売上高は前年比6.2%減の3386億円、営業利益は同6.3%減の586億円を見込む。
キヤノンのインダストリアルビジネスユニットは、光学機器と産業機器で構成される。光学機器には半導体製造装置とフラットパネルディスプレイ(FPD)露光装置が含まれる。
2026年第3四半期の半導体製造装置(KrF/i線露光装置)の販売台数は42台で、前年同期を下回った。しかし、i線と比べて単価の高いKrF装置が、AI関連需要の拡大でメモリ向けを中心に販売台数を伸ばしたことで、半導体製造装置の売上高は増収となった。
旺盛な需要に対応するための増産も計画通りに進んでいて、第4四半期の販売台数は87台へと大幅に増加する予定だ。2026年通期でも増収を見込む。
一方、FPD露光装置の販売台数は2台だった。2026年通期でも20台と、前年を下回る見込みだ。
キヤノンによると、ディスプレイ搭載デバイスは米国関税やメモリ価格高騰の影響で価格が上昇し、需要が大幅に低下しているという。これに伴ってパネルメーカーが投資を延期しているので、FPD露光装置市場も一時的に縮小している。
ただし、ITパネル向けの新規投資やスマートフォンの高機能化/薄型化に向けたパネルメーカーの投資再開の動きも見られる。このことから、2027年以降は販売台数の増加を見込む。
産業機器では、有機ELディスプレイ(OLED)製造装置について、パネルメーカーの投資先送りの影響で減収となる見込みだ。半導体向け成膜装置についても顧客都合や部材逼迫の影響で2026年の売上高は前年を下回る見通しだ。一方、旺盛なAI需要を背景に広帯域メモリ(HBM)などのメモリ向け受注が増加していて、2027年以降は成長を見込む。
次世代半導体製造装置として導入を進めるナノインプリントリソグラフィ(NIL)については、2027年からの量産適用に向けた取り組みが進展しているという。
顧客が使用するウエハーを用いたプロセス検証が順調に進んでいるほか、2026年6月に追加で出荷した装置の立ち上げも完了した。現在は量産ラインを想定したプロセス検証や、生産性向上に向けた検討を進めている。
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