数m と長い距離を高効率でワイヤレス給電できる可能性を秘めるのが、「共鳴型」と呼ぶ新技術である。2007 年に初めて動作が実証された後、さまざまな企業や研究機関が開発を活発に進めている。しかし、実用化に向けてはまだ多くの課題がありそうだ。
数mと長い距離を高効率で、しかもワイヤレスで電力を供給できれば、さまざまな機器の使い勝手は大きく高まる。例えば、意識しなくても携帯電話機を充電できたり、電気自動車を駐車場に止めておくだけで自動的に充電作業が完了したりといったことも夢ではない。デジタル家電の置き場所を決めるのに、コンセントの位置を気にしなくてもよくなるかもしれない。
数m と長い距離を高効率でワイヤレス給電できる可能性を秘めるのが、「共鳴型」と呼ぶ新技術である。2007 年に初めて動作が実証された後、さまざまな企業や研究機関が開発を活発に進めている。
しかし、実用化に向けてはまだ多くの課題がありそうだ。2010年3月に仙台で開催された「電子情報通信学会総合大会」では、国内の企業や大学が研究成果を数多く発表した。発表全体をふかんしてみると、乗り越えるべき課題が見えてきた。
第1部では、現在の研究開発の進展の状況や、2010年3月の総合大会の発表から見えてきた課題を解説する。第2部では、数多くの発表のうち、伝送距離を伸ばすために「第3のコイル」を設置する新たな試みなど、技術進展の観点から興味深い発表内容を紹介する。
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