E Inkは、カラー表示が可能な電子ペーパーを発表した。「Triton Imaging Film」と呼ぶ。同社はこれまでモノクロの電子ペーパーを供給しており、以前からカラー品の製品化が期待されていた。機器メーカー各社は今後、カラー表示の電子ブックリーダーや電子新聞リーダーの開発に乗り出すとみられる。
Tritonは、紙の媒体が読める環境であれば、明るい太陽光の下でもどこでも紙と同じような読みやすさを実現するため、モノクロ表示の電子ペーパーと同様に反射光を利用する方式を採用している。ページをめくるとき以外は電力を消費せず、消費電力が極めて低いという利点も、モノクロ表示品と変わらない。
カラー表示の実現方法はこうだ。すなわち、マイクロカプセル型電気泳動ディスプレイの上に、RGBW(赤緑青白)画素配列で透過性があり薄いカラーフィルタアレイを重ねることで、各サブピクセルに16階調のグレースケール表示機能を持たせた(図1)。これにより、数千色のカラー表示が可能になった。E Inkは、Tritonの応答速度は同社のモノクロ品に比べて20%高いと主張しており、動画の再生には適さないものの、簡単なアニメーションであれば十分に再生できると説明している。
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