愛知製鋼は、微弱な交流磁界を検出する磁気センサーを製品化し、自動車に関する総合展示会「人とくるまのテクノロジー展(2011年5月18日〜20日)」に出品した。
愛知製鋼は、微弱な交流磁界を検出する磁気センサーを製品化し、自動車技術に関する総合展示会「人とくるまのテクノロジー展(2011年5月18〜20日)」に出品した(図1)。
現在、交流磁界の検出には、ホール素子を使ったセンサー(ホールセンサー)や、磁気抵抗(MR)センサー、巨大磁気抵抗効果(GMR)センサーが広く使われている。これに対して同社の磁気センサーは、「磁気インピーダンス効果(Magneto-Impedance Effect)」を利用するMI素子を採用したことが特徴だ(関連記事)。
磁気インピーダンス効果とは、アモルファスワイヤーにパルス電流を通電すると、外部磁界によってワイヤーのインピーダンスが大きく変化するという現象である。「従来の磁気センサーに比べ、高感度であることや、磁界変化に対する応答速度が高いこと、消費電力が低いことが特徴だ」(同社ブースの担当者)と主張する。同社の磁気センサー製品は現在、スマートフォンやタブレットPCなどに採用されており、今後はゲーム機のコントローラにも搭載される見込みだという。
会場では最近製品化した3軸電子コンパスモジュール「AMI306」と、6軸モーションセンサーモジュール「AMI603」、高感度を追求した磁界センサーモジュール「MI-CB-1Dx」を展示していた。
AMI306の外形寸法は2.04mm×2.04mm×1.0mm。AMI603は、3軸磁気センサーと3軸角加速度センサーを1つのパッケージに納めたもので、外形寸法は3.0mm×3.0mm×1.1mm。検出感度(磁気分解能)は、例えばAMI306が±0.4μT(テスラ)である。
MI-CB-1Dxは、検出感度が0.1nTと高いことが特徴。会場では、MI-CB-1Dxの高感度をアピールするデモを展示した(図2)。具体的には、腕時計の秒針が動いたときの腕時計内部の磁界変化を、外部から検出する様子を見せていた。将来的には、医療分野や生体計測分野にも使えるよう、1pTの感度を目指すという。
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