2012年第1四半期の在庫日数は、需要の高まりを受け、前期比で0.5%減少した。2011年第4四半期の平均在庫日数は、過去11年で最も高い水準を記録していた。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、2012年第1四半期における半導体サプライヤの平均在庫日数(DOI:Days Of Inventory)は、2011年第4四半期に比べて0.5%減少する見込みだという。
2012年第1四半期の半導体の在庫日数は、需要の高まりにより、2011年第4四半期の84.1DOIから、83.7DOIに改善するとみられている。
IHS iSuppliの半導体市場調査部門でアナリストを務めるSharon Stiefel氏は、報道発表資料の中で、「2011年第4四半期の世界半導体市場は、売上高と利益の両方の面で低迷した状態が続いていた。同四半期の世界半導体売上高は、顧客からの発注が減少したのに伴い、前年同期比で2.8%落ち込んだ。サプライヤが、生産工場の稼働率を調整して需要の低下に対応しようとしたため、結果として半導体の在庫数が増えてしまった」と分析した。
2011年第4四半期の半導体の在庫日数は、2001年第1四半期以降で最も高い水準に達したという。需要が低下する中での過剰在庫は、半導体産業にとって打撃となる。価格の低下につながり、結果として生産量を減らすことになるためだ。
一方でIHS iSuppliによると、半導体市場の状況は改善しつつあるという。
Stiefel氏は、「半導体サプライヤは、2012年第1四半期に需要が回復すると見込んでいる。出荷受注比率(Book-to-Bill Ratio)も改善しつつある他、世界のマクロ経済指標も、半導体市場の状況が持ち直しつつあることを示している。こうした要因により、業界の今後について楽観的な見方をする半導体サプライヤが増えている」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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