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目指せ、全員参加のOJT! 〜若手育成に“組織学習”を生かす〜いまどきエンジニアの育て方(4)(1/2 ページ)

最近、OJTに「組織学習」という考え方を取り入れる企業が増えています。今回は、組織学習とは何なのか、また、それをOJTに取り入れるメリットは何かについてお話します。

» 2012年05月30日 09時30分 公開
[世古雅人,カレンコンサルティング]

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 さて、松田課長から、「上司の昔話はどんどんしろ!」というアドバイスとともに、「組織学習」という聞き慣れない言葉を教わった田中課長。この組織学習とは、いったい何なのでしょうか。まずは、開発現場を取り巻く環境の変化について振り返ってみます。

開発現場を取り巻く環境は、こう変化している

 第2回「勘違いしてない? OJTの意味」では、OJT(On the Job Training)が機能していないことをお話ししました。図1に、内外の環境の変化という視点で、変化の要因とそれらの関係性を模式的に示します。

図1 開発現場を取り巻く環境の変化 図1 開発現場を取り巻く環境の変化(クリックして拡大)

 会社を取り巻く「経済」は、グローバル化が加速しているものの、日本国内での成長は鈍化しています。雇用も増えず、就職が狭き門になっていることは、皆さんご存じのとおりです。また、「顧客・市場(要求)」については、特に国内において、製品の差異化を図るために必要以上に高機能を追及した結果、製品は複雑化し、開発コストが膨らみ開発期間は長期化しています。一方で、価格以外には大きな違いが見当たらないコモディティ化も加速しています。台湾や韓国の機器メーカーが日本を代表する製造メーカーを飲み込まんばかりの勢いです。

 このような状況で、「会社」はさらなる経営の効率化を余儀なくされ、その矛先は各部門に向けられます。開発部門も例外ではありません。上司は管理業務がどんどん増えています。製品の複雑化に伴い仕事も複雑になっていく中で、上司や先輩は、昔はできていた部下のサポートがほとんどできなくなります。OJTどころではなくなったわけです。

 一方、若手エンジニアたちは“ゆとり教育”と称される個性重視型の「教育」を受けています。ネット社会にも早くから慣れ親しんでおり、現実社会よりも、バーチャルな世界で、より深い人間関係を築くという人も少なくありません。

会社全体を見ると、若手の戦力化には時間がかかるにもかかわらず、若手の早期離職率が相変わらず高いままになっています。

 さて、場面は田中課長と松田課長へと戻ります。

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