2012年のプロセッサ売上高ランキングにおいて、QualcommとSamsung Electronicsが、AMDを追い抜いた。トップはIntelで、AMDは第4位に順位を下げている。スマートフォンとタブレット端末の急速な普及が、QualcommとSamsungの順位を押し上げる要因となった。
米国の市場調査会社であるIC Insightsによると、2012年のプロセッサ売上高ランキングにおいて、QualcommとSamsung Electronicsが、AMDを追い抜いたという。その背景には、スマートフォンやタブレット端末の売上高が飛躍的に伸び、PC売上高が低迷していることが挙げられる。
AMDは1990年以来、プロセッサの世界売上高ランキングにおいて、第1位のIntelに続き、第2位の座を維持してきた。しかし、2012年のランキングでは、スマートフォンやタブレット端末の台頭でPC市場が振るわなかった影響を受け、第2位の座から転落する結果となった。2012年におけるプロセッサ売上高ランキングの上位10社を見てみると、ARMコアを採用したモバイルプロセッサを手掛けるメーカーの多くが、前年比で売上高を伸ばしていることが分かる。その一方で、主にPC向けであるx86系プロセッサメーカーのIntelとAMDは、シェアが前年比で縮小する結果となった。
プロセッサ売上高の上位10社のうち、MicrosoftのWindows OSを搭載する一般的なノートPCやデスクトップPC向けに、x86プロセッサの販売を手掛けているのは、第1位のIntelと第4位のAMDだけである。この他のメーカーは全て、ARMのライセンス供与を受け、RISCプロセッサコアを集積したモバイル向けプロセッサの開発/販売を手掛けている。
Qualcommは、ベースバンドIC市場において圧倒的な優位性を確保しており、同社のアプリケーションプロセッサ「Snapdragon」の売上高を好調に伸ばしている。またSamsungは、独自に開発したARMベースのプロセッサを販売するほか、Appleのプロセッサ「Aシリーズ」の製造も受託している。
IC Insightsによると、Snapdragonの2012年における売上高は、前年比28%増となる53億米ドルに達したという。これにより、プロセッサ市場における同社のシェアは、9.4%に拡大した。
Samsungは、2011年のプロセッサ売上高ランキングでは第4位だったが、2012年はApple向けのプロセッサファウンドリ事業を含めた売上高が前年比で78%増加し、第3位にランクを上げた。IC Insightsによると、Samsungの2012年におけるプロセッサ売上高は47億米ドルで、このうち約83%を、Apple向けのプロセッサが占めているという。
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