Samsungの株価が大幅に下落したことを受け、ハイエンドスマートフォン市場は減速傾向にあるのではないか、という声も聞かれた。2013年6月16日のReuters(ロイター通信)による報道では、金融アナリストの間で、「スマートフォン売上高に関する以前の予測は、楽観的過ぎた」とする認識が広がっているという。
その一方で、中国のファブレス半導体企業であるSpreadtrum Communicationsは2013年6月12日に、2013年第2四半期における同社の売上高予測を上方修正した。低価格帯のスマートフォン市場における需要が高まっていることから、取引の拡大が見込まれ、同社のシェアは23%増加すると予測している。
これらのデータを全てつなぎ合わせると、スマートフォン市場の動向がよく見えてくる。
Samsungは株価の下落など何でもないかのように、2013年6月17日、GALAXY S4のLTE-Advanced対応モデルを韓国で発売すると発表した。
もちろん、通信速度が速くなるのはユーザーにとっては歓迎すべきことである。ただし、高速の新しい通信規格をサポートできるインフラは、世界ではまだ十分に整っていないことを忘れてはならない。LTE-Advanced対応モデルの投入でGALAXY S4の販売台数を引き上げるという考えは、いささか早計にも思える。
これまでにない全く新しいスマートフォンが登場しない限り、スマートフォン市場の勝者は、低価格の製品を提供できたメーカーになってしまうだろう。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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