ルネサス エレクトロニクスは2013年6月26日、定時株主総会を開催した。株主とルネサス経営幹部で交わされた質疑応答の様子の一部を紹介する。
経営再建中にあるルネサス エレクトロニクス。2013年3月期は1000億円を上回る構造改革費用などにより1676億円の最終赤字を計上し、2010年4月の会社発足以来、赤字が続く中で2013年6月27日、株主総会を迎えた。社長の鶴丸哲哉氏は、「株主の期待に添えず、深くおわび申し上げたい」と株主に謝罪。その上で、「業績回復が急務であり、財務体質も健全な状態に戻さなければならない」とし、自らルネサスが今後対処しなければならない課題について説明した(関連記事:ルネサス、産革機構などからの払い込み完了せぬまま株主総会を実施)。
株主に対し、2013年3月期の事業報告、今後対処する課題についての説明が終わった後、鶴丸氏らルネサスの経営幹部に寄せられた株主からの質問/意見と、その答弁の一部を紹介する。
――3万人を超える従業員を抱えながら、売上高7858億円は物足りない。中国やインドなど人口を抱える新興国に対し、もっと売り上げが見込める製品分野に挑戦してほしい。
鶴丸氏 ルネサスを変えていくための具体的な中期計画は策定中。そのため、詳細は答えられないが、製品の取捨選択を行い、光る技術に注力していく。そして、単体のマイコンや、単体のアナログ製品を販売するのではなく、ルネサスの人材、財産を駆使して、ソリューションとして提供したい。全社、一致団結して努力していきたい。
――2013年3月期は、1271億円という大きな特別損失を計上しているが、その内訳を教えてほしい。
佐川雅彦氏(=執行役員) 早期退職優遇制度実施に伴う特別退職金で840億円、ルネサスモバイルの減損処理に360億円。この2つで大半を占めた。
鶴丸氏 今回の特別損失は、次のルネサスが力強くやっていくため。貴重なお金ですが、使わせて頂いた。
――後工程工場の再編は進んでいるが、前工程工場再編の状況について教えてほしい。6インチウエハーラインが一部残る計画になっているが、その狙いは。
野木村修氏(=執行役員) 前工程に関しても(2012年7月に発表した生産拠点再編の)方針通り順調に進んでおり、今後も予定通り進める(関連記事:ルネサスが再建策を発表、国内11拠点の縮小/譲渡・集約と5千数百名の削減盛り込む)。6インチウエハーラインについては、6インチでしか手に入らない材料や、8インチウエハーでは製造できない技術もあるため、生産を続けていく。
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