Bluetooth技術のカンファレンス「Bluetooth World」が米国で開催された。BluetoothとZigBeeはよく比較されるが、モノのインターネット(IoT)分野ではBluetoothの勢いの方が強いようだ。
2014年4月8日〜9日に米国カリフォルニア州サンノゼにおいて、Bluetooth SIG主催のカンファレンス「Bluetooth World」が開催された。会場を見て回ると、モノのインターネット(IoT)分野ではBluetoothがZigBee(IEEE 802.15.4)などよりも広く採用されているという印象を受けた(関連記事:Bluetoothの新用途が続々登場、2018年には対応機器が320億個に)。
またBluetooth Worldでは、Bluetooth向けのメッシュ技術の開発が着々と進んでいるという点にも注目が集まった。英国のCSRは、同社が2014年2月に発表したBluetooth技術「CSR Mesh」を使ったデモを披露し、複数の照明を点灯させた。CSRのフェローであるRobin Heydon氏は、「CRS Mesh技術は、1つのネットワークと複数の相互接続ネットワークに対して、最大6万5000ノードをサポートする。Bluetooth 4.1との互換性も備える。ただし、最大データ伝送速度(Mビット/秒)で動作することはできない」と述べている。
同社は2014年4月中に、CSR Mesh向けの開発キットを発表する予定だ。2014年半ばには、CSRのチップ上で動作可能なファームウェアも提供する予定だとしている。
さらに2014年後半には、Bluetooth SIGにコードを寄付する予定だという。Heydon氏は、「Bluetooth SIGのAutomation Committeeに先導してもらうことで、今後6カ月以内に、他の半導体チップメーカーも利用可能なBluetoothプロファイルを実現できると期待している」と述べる。
Bluetoothには、家庭向けから工場向けに至る幅広いIoTアプリケーションに対応していく上で、最も重要な要素の1つであるメッシュ構造への対応が欠けていた。ただし、今後Bluetooth SIGが実際にCSRの技術を採用することになるのかどうか、また採用するとしたらいつごろになるのかは、明らかになっていない。
一方、Bluetooth SIGは現在、2Mビット/秒の仕様案を検討している他、Bluetooth Low Energyによるオーディオストリーミングをサポート可能な補聴器向けのバージョンの策定も進めている。Heydon氏によると、いずれのプロジェクトも、実現に至るまでには約2年間を要する見込みだという。
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