IBMのストレージシステム研究チームのメンバーであるIoannis Koltsidas氏は、HDDが不要なシステムの実現に向けて、フラッシュメモリとPCMを搭載した試作ボードを披露した。同ボードは、上部のフラッシュメモリ層と下部のPCM層で形成されている。
米国カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)は、IBMが考案した「レーストラックメモリ」技術を基に、有望な新材料を使ってレーストラックメモリを実現する手法を発表した。UC Davisの研究チームは、米国の研究都市Research Triangle Parkに拠点を置く半導体研究コンソーシアム「Semiconductor Research Corporation(SRC)」と協力して、HDDやSSDよりも高速で信頼性が高く、高性能、低消費電力なレーストラックメモリを、ナノワイヤーから作製する技術を開発している。
IBMは、個々の電子の磁気スピンの特性を明らかにし、電子スピンを反転させて1と0に対応させる手法を開発した。これによって、個々の電子にビット情報を書き込むことが可能となった。同社はまた、あらゆる原子にビットデータを書き込める新しいタイプのカスケード接続メモリの開発にも取り組んでいる。IBM Researchアルマデン研究所(Almaden Research Center)に在籍するIBMフェローのDon Eigler氏が率いるグループは、「スピン反転分光法(Spin-flip Spectroscopy)」というナノスケールの新たなキャラクタリゼーション法を披露した。
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