磁気テープは、磁気コアメモリと同様に過去の技術だと思われているかもしれない。しかし、IBMと富士フイルムはそのようには考えていない。両社は最近、磁気テープ記憶装置の規格である「LTO(Linear Tape-Open)」のカートリッジに、従来の62倍のデータを格納する技術を発表した。2012年にはLTOカートリッジに格納できるデータは2.5Tバイトだったが、今回両社が発表した技術は154Tバイトものデータを格納できるという。両社は、メモリの下層に磁気テープを配し、その上部にPCM、フラッシュメモリ、DRAMなどのメモリ層を形成する手法によって、大容量データの格納を実現した。
MLCにも大きな将来性がある。IntelのSSD「710シリーズ」は、NANDフラッシュに25nmプロセスのMLCを採用している。710シリーズには、高い耐性を実現する技術としてIntelの「High Endurance Technology(HET)」も搭載されている。データセンターや金融サービス、検索エンジンなど高信頼性および高密度が要求される用途に向ける。
究極のメモリチップは、わずかな数の原子に1ビットの情報を記録できるようになるかもしれない。IBM Researchのアルマデン研究所は、原子スケールのメモリを開発するために必要な走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)を開発している。ナノ秒レベルの時間分解能を実現している(関連記事:12個の原子で磁気メモリを構成、HDDの記録密度が100倍に高まる可能性も)。
ストレージの最も非効率的な使い方の1つは、わずか数バイトしか違わないのに、ファイル全体を書き換えて読み込む場合だ。Fusion-io(SanDiskが2014年7月に買収)は、HPのストレージアレイに320Gバイトのアクセラレータカードを提供した。Fuision-ioによれば、これによってデータベース応答速度が30倍速くなり、クエリ処理のスループットが9倍に向上し、サーバの設置面積や電気代が75%削減されたという。
IDCによると、ソフトウェア定義のストレージは、データセンターにおいて大きな割合を占めるようになるという。ソフトウェアコンポーネントは、ストレージモジュールを仮想化して連結することで、メモリのリソースをより効率的に使えるようにする。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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