「CEATEC JAPAN 2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日)で設けられたベンチャーエリアでは、洗練されたデザインの電動車いす、いつでもどこでも見られるワンセグテレビなどが展示され、多くの来場者の注目を集めていた。
「CEATEC JAPAN2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日)では、ベンチャー企業の技術を紹介するベンチャーエリアが設けられた。小さなブースが並ぶ比較的小さなエリアだったが、常に多くの来場者でにぎわっていた。
電動車いすの開発を手掛けるWHILLは、指先で簡単に操作できる電動車いす「WHILL」を展示した。同社は、日産自動車やソニーなど大手メーカー出身の若手技術者が、立ち上げたベンチャー企業だ。彼らは電動車いすのWHILLを“次世代パーソナルモビリティ”と呼ぶ。
WHILLは、指先だけで簡単に操作ができる。進みたい方向にレバー(ボタンに近い)を押すだけだ。タイヤは、小さなタイヤ24個から成るオムニホイール(全方向に動くタイヤ)を導入している。「1個のオムニホイールとしては直径が大きいが、小回りがきく」(同社)。
さらに特徴的なのが、「iPhone」向けの専用アプリでWHILLを遠隔操作できることだ。ベッドの近くまで呼び寄せたり、車いすのユーザーの代わりに介護士や介助者が操作することもできる。「車いすを押して移動する時は、前後に並んで会話せざるを得ないが、移動しながら話すときはやはり横に並ぶのが自然。“横に並んで一緒に歩きたい”という要望もある。WHILLならばそれが可能になる」(WHILL)。
WHILLは、1回の充電で約20km走行する。2014年9月から日本と米国で販売を開始していて、販売目標台数は2カ国合わせて2014年は250台、2015年は2000台としている。
WHILLの担当者は「自動車に自転車、世の中に乗り物はたくさんあるが、車いすは唯一、積極的には乗りたがらない乗り物。車いすに対してはどうしてもネガティブなイメージがつきまとってしまう。当社はそういうイメージを払拭(ふっしょく)して、“外に出掛けたくなる”車いすの開発を目指した」と語った。
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